365日 あの頃ヒット曲ランキング 3月

【1986年3月】1986年のマリリン/本田美奈子 路線一転 おじサマも魅了した!

[ 2012年3月5日 06:00 ]

★86年3月ランキング★
1 My Revolution/渡辺美里
2 季節はずれの恋/吉沢秋絵
3 DESIRE/中森明菜
4 じゃあね/おニャン子クラブ
5 OH!!POPSTAR/チェッカーズ
6 1986年のマリリン/本田美奈子
7 青いスタスィオン/河合その子
8 色・ホワイトブレンド/中山美穂
9 今夜はANGEL/椎名恵
10 風曜日、君をつれて/アルフィー
注目どうしてますか/原田
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【1986年のマリリン/本田美奈子】

 アイドル路線でも十分やっていけた。それが、デビューからまもなく1年という時に、「他のアイドルと同じことはイヤ」のひと言で4枚目のシングルリリースを機に一気に路線変更へと舵を切った。

 86年2月発売の「1986年のマリリン」はそのものスバリ、現代のマリリン・モンローをコンセプトに、秋元康がその世界を作り上げた。後に本田美奈子のトレードマークともなるヘソ出しルックのインパクトは強烈で、スレンダーボディーにミニの19歳の女の子が腰をくねらせて熱唱する姿は、アイドルとは無縁のおじサマまで魅了。レコードが売れない時代に25万枚をセールス。本田美奈子にとって最大のヒット曲となった。

 高校1年の時に初めて訪れた東京・原宿で芸能事務所からスカウト。しばらく音沙汰がなく、歌手になる夢をあきらめかけていた頃に、アイドルの卵が集う「長崎歌謡祭で歌ってみないか」と連絡が入り、ろくにレッスンもせずに舞台に立ったところ、見事グランプリを獲得。デビューが決まった。家族はカラオケが大好きで、小さい頃からマイクを握っていた。くしくもそれがいい練習になっていた。

 元々は演歌歌手を目指していたという。デモテープに歌を吹き込んでくるのは「北の宿から」「ラブ・イズ・オヴァー」などその手のものばかり。実は事務所側は、アイドルユニット「少女隊」のメンバーの一人にと考えており、演歌の路線は想定外もいいところだった。

 それでも細い体に似合わず、パンチの効いた声も出せるし、情感たっぷりに歌う雰囲気に「グループじゃなくソロで」という方針に決定。さすがに演歌とはいかず、アイドルに。本田美奈子の進むべき道が決まった。

 ロックバンドスタイルを経て、ミュージカル女優、そしてネオ・クラシックのジャンルにも挑戦。「一生歌を歌っていきたい」というほどの天職だったはずが、05年11月6日、急性骨髄性白血病により、38歳の若さで逝去。天性の歌姫の早すぎる死は惜しまれてならない。

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