365日 あの頃ヒット曲ランキング 3月

【2000年3月】Love,Day After Tomorrow/倉木麻衣 正体分からずとも大ヒット

[ 2012年3月29日 06:00 ]

 ★00年3月ランキング★
1 TSUNAMI/サザンオールスターズ
2 Love,Day After Tomorrow/倉木麻衣
3 好きになってく 愛してく/KinKi―Kids
4 赤い手帳/あか4組
5 黄色いお空BOOM BOOM BOOM/黄色5
6 青いスポーツカーの男/青色7
7 Goodbye Yesterday/今井美樹
8 あなたのキスを数えましょう/小柳ゆき
9 Bright Daylight/hiro
10 孫/大泉逸郎
注目Red Beat of My Life/Eriko with Crunch
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【Love,Day After Tomorrow/倉木麻衣】

 実態が分からぬまま、ランキングだけがどんどん上昇していった。

 17歳の女子高生、倉木麻衣のデビュー曲「Love,Day After Tomorrow」が3月に入ってオリコンチャートの2位まで上昇。トータルのCDシングル売り上げも100万枚を突破した。

年齢も同じなら、歌い方もそっくり、名前と顔と少々のプロフィール以外はすべてナゾ、タイアップなしでのいきなりのミリオンセラーなどの共通点の多さから“宇多田ヒカルの後追い”とまで揶揄されながらも、単なるコピーではない才能がデビュー曲からは伝わった。

 日本よりも米国デビューが先だったというのも宇多田と同じだったが、決して意図したものではなかった。インディーズでのデビューが決まり、曲の雰囲気からボストンでレコーディングすることになり渡米。スタジオで歌っている際に立ち会った米国人のミュージシャンやスタッフが倉木の歌声に魅了された。

 「日本だけではもったいない。アメリカでもリリースしたらどうか」。マライア・キャリーなどのプロモーションを担当する大物のプッシュもあり、日本デビュー2カ月前の99年10月に「Baby I Like」という4曲入りのCDでデビュー。「Mai―K」の名前で出した。

 日本では大して話題に上らなかったが、12月に日本で「Love Day…」を発売すると、マスコミにもテレビの音楽番組にも露出しない神秘性が相まって徐々にランキングが上昇。年明け早々にニッポン放送が行った「2000年にもっともブレークしそうな歌手」というアンケートで1位を獲得。そこで注目されると、1月下旬から2月にかけてベストテン内に名を連ねた。

 小学生の時にマイケル・ジャクソンの映画を観たことで音楽に興味を持ち、ホイットニー・ヒューストンのライブビデオが「将来はシンガーに」という夢を増幅させた。

 自らの歌声を吹き込んだデモテープを音楽事務所に送り、声をかけたのが90年代の音楽業界で一世を風靡した「ピーイング」系の事務所。ZARDがそうだったように、歌っている歌手の“実態”が謎めいたまま、CDだけが売れていくという構図がここでも出来上がった。

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