365日 あの頃ヒット曲ランキング 3月

【1985年3月】ふられ気分でRockn’n Roll/トム・キャット 一度見たら忘れない

[ 2012年3月28日 06:00 ]

★85年3月ランキング★
1 ミ・アモーレ/中森明菜
2 卒業/菊池桃子
3 Romanticが止まらない/C―C―B
4 シンデレラは眠れない/アルフィー
5 ふられ気分でROCK’NROLL/トム・キャット
6 俺ら東京さ行くだ/吉幾三
7 天使のウインク/松田聖子
8 卒業/斉藤由貴
9 ジェラス・トレイン/河合奈保子
10 熱視線/安全地帯
注目見えない翼/伊藤麻衣子
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【ふられ気分でRockn’n Roll/トム・キャット】

 身長は1メートル50あるかないかの小柄の女性の顔には大きなサングラス、袖のやたら短い黒のビニール地の衣装を着て、ザンギリ頭のようなショートカットのヘアスタイル…何もかも特徴的な23歳のキーボード兼ボーカルが歌う、早口なロックがヒットチャート賑わしていた。

 ヤマハの「ポピュラー音楽コンテスト」=「ポプコン」とそれに続く「世界歌謡音楽祭」で連続グランプリを獲得した、5人組「トム・キャット」の「ふられ気分でRockn’n Roll」は、85年にレコード売り上げ36万枚を記録。バンドの顔であるボーカルTOMの風貌のインパクトは一目見たら忘れられないものがあった。

 必要以上に大きなサングラスは溶接工が使う顔の側面まで覆うものだった。「ピンスポットが当たると、鍵盤が白く光ってしまって、見えにくくなる。そうすると、頭の中が真っ白になってコードも忘れてしまう」という理由でかけはじめた。

 そのうち街を歩く時もかけるようになってしまったとか…。ロックバンドでボーカルをやるような女性にしては意外にも「外で自分の曲が流れていると恥ずかしくて、恥ずかしくて」と超が付くテレ屋だった。

 嫌で仕方なかったピアノが役立った。3歳からピアノ教室に通い、とりあえず12歳まで続けた。中学に入りロックに目覚めて、高校に入ると聴くだけでは物足りずバンドを結成した。校内でコンサートを開きたいと教師に申し出たが却下されると、校長に直談判。これが成功した。

 デビュー曲から順調な滑り出しをみせたバンドには、2曲目で早くも日本航空の沖縄キャンペーンソングのタイアップの話が舞い込むなど順風満帆だったが、これが思ったほどヒットせず、結果的には昭和の“一発屋”の代表格のような扱いに。しかし、TOMのロックへの情熱は高校生の頃にコンサート開催の道を切り開いた時と同じように衰えることはなく、現在でも活動を続けている。

 

続きを表示

バックナンバー

もっと見る