加藤登紀子 年末恒例ほろ酔いコンサート ふるまい酒4年ぶり復活 天国の夫との「横浜物語」も披露 

[ 2023年12月14日 21:39 ]

歌手の加藤登紀子(中央)が横浜で日本酒を振る舞う「ほろ酔いコンサート」を開いた。ゲスト出演した歌手の池畑慎之介(左)と、お笑いタレントのタブレット純
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 シンガー・ソングライターの加藤登紀子(79)が14日、横浜・関内ホールで年末恒例の、ほろ酔いコンサートを開いた。ロビーでは、コロナ禍で中止していた「ふるまい酒」を4年ぶりに再開。加藤自身も杯を片手に「百万本のバラ」などの名曲を歌い上げた。鳴り止まない拍手を体で受け止めた加藤は「みんながバラに見える。この両手にいっぱい抱えて帰る」と感謝した。

 ほろ酔いコンサートは、1971年に初開催。全国22都市で500回以上公演し、神奈川県内では43回目を迎えた。

「横浜物語」と題した1部では、横浜にまつわるエピソードを交えながら「難破船」などラブソングを披露。曲間のMCでは、2002年に他界した夫の藤本敏夫から「一つだけ夢がある」と明かされたことに触れ「(横浜の老舗ホテル)ニューグランドに泊まりたいって。だから、ある年のお正月に家族で泊まったの。だって、おせち作るの面倒くさいじゃない。懐かしい。それが私の横浜物語」と目を細めていた。

 真っ赤なドレスから、ドレッシーなブラックの衣装に着替えた二部では、同じ12月27日生まれの歌手で女優のマレーネ・ディートリヒの「リリー・マルレーン」を熱唱。「私が生まれた1943年に、彼女は前線で歌っていたのかもしれない」と第二次世界大戦の欧州前線で戦う米軍兵士のため慰問活動をしていたディートリヒに思いをはせた。

 旧満州のハルビン(現中国東北部の都市)で、1歳8カ月の時に、終戦を迎えた。日本に戻れず、約1年間難民生活を経験した加藤は、58年の歌手生活の中で何度も「平和への思い」を口にしてきた。

 終盤にはジョン・レノンさんの反戦歌「イマジン」を英語詩と、日本語歌詞の朗読で披露し「世界を一つに」と訴えた。

 アンコールでは、地元で活動する「ハマ音合唱団」の男女20人を招き入れ、ほろ酔いコンサートのテーマ曲「乾杯」で大合唱。さらに二部のゲストとして招いたピーターこと歌手で俳優の池畑慎之介(71)と、お笑いタレントのタブレット純(49)が再登場し、作詞家のなかにし礼さんと共作した「わが人生に悔いなし」で声を合わせた。

 横浜公演は、文化芸能を通じた地域活性化を目指す神奈川県のマグネット・カルチャー(マグカル)推進事業の一環として開催。シニアが行う文化芸術活動の充実を図るための事業として採択されたという。

 会場には同県内のシニア約300名を招待。この日だけの特別なプログラムを楽しんでいた。

 秦野市から来場した70代の女性は「大好きな『知床旅情』を聴くことができてうれしかった。一緒に歌って、元気が出た」と喜んでいた。横浜市金沢区から来場した80代の男性は「登紀子さんの歌声を聴いていると、子供の時を思い出し、懐かしくなります。今日は、横浜での思い出も話してくれて、うれしかった」とほほを高揚させていた。

 ほろ酔いコンサートは、12月26・27日に、ヒューリックホール東京(有楽町)でも公演する。

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