祭典に激震 ジャニーズ 紅白出場ゼロ…NHK会長が明言「新規契約を行わない」

[ 2023年9月28日 05:00 ]

ジャニーズ事務所
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 NHKは27日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川元社長による性加害問題を受け、大みそかの紅白歌合戦について所属タレントの起用を見送る方針を示した。稲葉延雄会長が「現時点でジャニーズタレントの新規契約を行わない」と明言した。今年の音楽界はジャニーズ勢の活躍が目立つだけに、主役不在の紅白となってしまう可能性が高まった。

 芸能界最大の祭典が大きく揺れている。

 稲葉会長は会見で「契約がすでに決まっているタレントはそのまま出演するが、新規の出演依頼については、被害者への補償と、再発防止への取り組みが着実に行われていることを確認されるまでは行わない」と局の基本姿勢を説明。記者からの「紅白も新規契約に当たるのか?」という質問に対し、担当者が「紅白も同じ方針で対応する」と答えた。

 その後に会見した山名啓雄メディア総局長も「ジャニーズ所属のタレントがゼロになるのか?」と問われると「現時点ではそうなる」と見解を示した。

 これまで民放各局がジャニーズタレントの起用方針について直接的な明言を避ける中、NHKは極めて厳しい姿勢を表明した形だ。10月2日には事務所の新体制が発表されるが、NHKの担当者は「それも重要な要素の一つだが、起用方針を判断する時期は設けず、慎重に推移を見守っていく」と説明した。

 ジャニーズ事務所は1965年に初代「ジャニーズ」が出演して以来、紅白とは約60年の歴史がある。所属タレントは80年の田原俊彦(62)以降は毎年欠かさず出場。近年では出場歌手としてだけでなく、演歌歌手の応援や子供向けの企画に登場するなど、演出面での貢献度が高かった。仮にこのまま出演見合わせとなり、今年の紅白にジャニーズタレントが出場しないことになれば、79年以来44年ぶりとなる。

 一方、紅白は出場歌手の選考基準について(1)その年の活躍、(2)世論の支持、(3)番組の企画・演出、の3点を据えている。

 オリコンの今年上半期チャートでは、アーティスト別の売上金額のトップ3をKing&Princeなどジャニーズ勢が独占。本来であれば(1)を満たし出場が確実視されるところだが、今回はその選考の機会すら与えられない可能性がある。

 すでにネット上ではファンの間から「タレントに責任はない」「ジャニーズが出ないなら見ない」などの声もあふれている。経団連の十倉雅和会長が19日の定例会見で「日々研さんしているタレントの活躍の機会を奪うのは少し違うのではないか」と話すなど、タレントの救済策を訴える声も出ている中で、NHKの判断はどう評価されるか。タレントやファンが笑顔で年越しを迎えられるか、今後の動きが注目される。


 ≪「新しい地図」「TOBE」勢は?≫山名氏は今年の紅白について「希望あふれる紅白をお届けしたい。一年を締めくくるにふさわしい紅白にしたい」と抱負を述べた。本紙の取材では、海外のビッグスターの招へいや人気バンドの復活出場などを狙っている。一方で、ジャニーズ事務所を離れた香取慎吾(46)ら元SMAPの3人による「新しい地図」や、滝沢秀明氏(41)率いる「TOBE」勢の出演があるか注目される。

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