大沢たかお 影響受けた今は亡き俳優「芝居をしているのか、ドキュメンタリーなのか分からない」

[ 2023年9月23日 14:31 ]

影響を受けた役者として挙げた大沢たかお
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 俳優の大沢たかお(55)が、22日放送のTBS系「中居正広の金スマSP」(後8・54)に出演し、自身が影響を受けた今は亡き俳優について語った。

 「同業さんいらっしゃい」と題した新企画で、大沢のほか玉木宏、江口洋介、笹野高史が出演。29日公開の映画「沈黙の艦隊」(監督吉野耕平)で共演する4人と、MC中居正広をまじえた5人でクロストークを繰り広げた。

 影響を受けた役者にまつわるトークで、大沢が挙げたのは、金子正次さん。世間に広く知られた俳優ではないものの、その名演技が大沢の心に深く刻まれているという。

 金子さんの代表作が、1983年公開の「竜二」。金子さんが原作、脚本、主演を務めたという意欲作だった。しかし金子さんは作品公開の1週間後、胃がんのため33歳の若さで死去。これが遺作となった。

 大沢は兄づてで金子さんと同作の存在を知ったという。「中学の時、ビデオ…当時VHSで、うちの兄貴が“おもしろい、すごい人がいるんだよ”って、家で見て、ビックリしちゃったんですよ」。金子さんが演じたのは、妻子のために、暴力団から足を洗ってかたぎになり、まっとうな道を歩んでいく決意をした男。「芝居をしているのか、ドキュメンタリーなのか分からない。鬼気迫るものを見て、“この人かっこいいな…”っていうのはその時、深く植え付けられた。今もそうですね」。大沢はその衝撃を今でも覚えているという。

 大沢自身は当時、「役者なんてできないし、別の仕事をしていましたし」と思っていたといい、金子さんの存在が俳優の道に直結したわけではないという。「でも、俳優になって10年、15年くらいは、この作品を2日前くらいに1回、見るようにしていて、それで現場に行ってましたね。こういう気持ちで現場に行くとか、人に対峙するというのが、自分の中でバイブルみたいになっている。それを見ると、あきらめずに頑張ろうとか思えたりするので、すごく感謝しているんです」と、しみじみ語った。

 笹野は同作で金子さんと共演したという。番組ではその共演シーンが放送された。酒店の店員役で、金子さん演じる竜二がトラックを運転中、ちょっとした不良自慢をしたことで竜二にたばこの火を手に当てられるシーンだった。笹野は「火の付いたたばこでいってもいいですか?って現場で言われたの。映画ってすごいんだなって思って」と、金子さんとのやりとりを回想した。

 金子さんは「僕らしょっちゅうやってますよ」と平然と答えたという。笹野は「答えに窮していたんですよ。そうしたら、ちゃんと火の消えたたばこを用意してくれた」と明かしていた。さらに「あの人は(同作に)懸けていたんでしょう、全身全霊で。そのことが分かったのは、(撮影が)終わってからでした。何であの時、断っちゃったんだろうと後悔しました」と苦い表情だった。

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