【王座戦第2局】藤井聡太7冠タイ勝!タイトル戦自身最長214手熱戦制した 次局地元名古屋で8冠王手へ

[ 2023年9月13日 04:45 ]

永瀬王座(右)との激戦を振り返る藤井7冠(左)(撮影・我満晴朗)
Photo By スポニチ

 将棋の第71期王座戦(日本経済新聞社主催)は12日、神戸市「ホテルオークラ神戸」で5番勝負第2局が指され、藤井聡太王将(21)=竜王、名人、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が永瀬拓矢王座(31)に214手で勝利した。勝率的に不利な後手番からの勝利で対戦成績を1勝1敗のタイへ戻した。214手での終局は20年棋聖戦以来、藤井のタイトル戦77局目で最多手数。第3局は27日、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルで行われる。

 両者5時間の持ち時間を使い切り、1分将棋へ突入してからなお100手以上指した。終局は初手から13時間経過した午後10時2分。その後、大盤解説会場であいさつした藤井の声はかすれ、疲労感を引きずっていた。

 「夕食休憩の辺りははっきり悪くした。その後粘りにいったがまた苦しくしたところもあったと思う」

 第1局のお返しとばかり後手番で勝利した藤井だが、形勢を悲観する局面が続いた。それでも自身のタイトル戦77局目で最長、全公式戦を含めても18年の南芳一・九段戦での230手などに次ぐ自身3番目の長手数の熱戦を制した。

 先手での黒星発進を受け、プロ8年目で初の秘策を繰り出した。居飛車党の王は飛車と反対側の左側へ移動させて囲うが、34手目[後]6二王と序盤からいきなり右へ動かした。

 「早くも厳しい状況になってしまった」。第1局終局後、勝率上有利な先手番を落とした藤井は短期決戦での黒星発進に危機感を示した。過去17度のタイトル戦全勝の藤井が第2局も落とすと、18度目で初めて先にカド番へ追い込まれる。右王に、必勝の思いが映っていた。

 対局会場での大盤解説会に出演した斎藤慎太郎八段(30)はこの右王について「ここでやってみたいと思ったのではないか」と指摘し、ほぼ同じ進行になった8月14日の竜王戦挑戦者決定3番勝負第2局を挙げた。藤井と同学年の後手伊藤匠七段(20)が永瀬に挑み、2勝0敗として藤井への挑戦権を獲得。勝った伊藤と同じ後手番に、勝利への鉱脈を見いだしたとの見立てだった。

 持将棋を意識し、指し直しの危機を切り抜けての1勝。「改めて3番勝負になった。気持ちを切り替えて第3局へ臨みたい」。地元対局で、8冠へ王手をかけにいく。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年9月13日のニュース