服部慎一郎五段 渡辺名人討ち!リーグ最年少23歳が初白星 王将戦挑戦者決定リーグ

[ 2022年10月8日 05:32 ]

渡辺名人(左)と感想戦を行う服部四段(撮影・木村 揚輔)
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグは7日、東京都渋谷区の将棋会館で2局を行い、リーグ初参戦の服部慎一郎五段(23)が前王将の渡辺明名人(38)=棋王との2冠=を下し、初勝利を挙げた。羽生善治九段(52)は糸谷哲郎八段(34)に勝ち、開幕2連勝。渡辺と糸谷は連敗スタートとなった。

 渡辺から金星を挙げた服部はリーグ成績を1勝1敗とし、タイトル初挑戦へ望みをつないだ。渡辺の飛車角2枚を封じ込め、攻め将棋の渡辺に攻めのターンを渡さない快勝だった。

 「中盤が凄く難解で、(75手目)[先]2四歩(A図)と突き捨てて(81手目)[先]5四金と出て少しよくなったかと思いました」

 矢倉戦の守り駒である右金を前線に投入し、6九飛の後方支援で主導権を握った。その後、金銀3枚と角による渡辺の堅陣を、縦からサイド攻撃への切り替えで突き崩した。

 プロ棋士の最低段位・四段でリーグ初参戦を決めた後、9月30日の対局で勝利し、五段に昇段した。四段での参戦は第66期の近藤誠也七段(26)以来6期ぶり4人目で、「とりあえず1勝にホッとしてます」。7人総当たりで挑戦切符を争う2カ月間の短期決戦は、全勝はもちろん全敗もあり得る。リーグ最年少の23歳は笑顔を見せた。

 五段昇段後の初白星であり、名人からもぎ取った3度目の対戦での初勝利でもあった。「五段での初白星は意識しなかった。残り4局、どの将棋も全力で戦っていきたい」。同じ関西本部所属で3歳年下の藤井聡太王将(20)に出世争いで後れは取った。「藤井さんからタイトルを獲る」。そう意気込み、有言実行を期して自らに負荷をかけ、三段時代より勉強時間を増やして背中を追った。

 過去10期、1敗か2敗での挑戦権獲得は8期ある。1敗は当然、圏内だ。

 ◇服部 慎一郎(はっとり・しんいちろう)1999年(平11)8月2日生まれ、富山市出身の23歳。中田章道七段門下。趣味はランニングと漫才で、高校時代の友人とコンビ「もぐら部隊」を結成したことも。

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