是枝監督〝相思相愛〟ソン・ガンホと「夢がかなった」 「ベイビー・ブローカー」で興収10億円狙う

[ 2022年6月27日 05:30 ]

舞台あいさつに登壇した(左から)是枝裕和監督、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン、イ・ジュヨン(撮影・佐久間 琴子)
Photo By スポニチ

 是枝裕和監督(60)の韓国映画「ベイビー・ブローカー」で、第75回カンヌ映画祭の最優秀男優賞に輝いた主演のソン・ガンホ(55)ら出演者が来日し26日、都内で舞台あいさつを行った。

 ソンは「パラサイト 半地下の家族」以来2年4カ月ぶりの来日。「尊敬する是枝監督の新しい物語に出合えて光栄。国を超えて共感、共有できる温かいものが受け取ってもらえると思う」と自信たっぷりにアピールした。

 同作の企画がスタートしたのは2016年だが、その萌芽(ほうが)は15年ほど前にさかのぼる。是枝監督が釜山国際映画祭で受けたインタビューで「一緒に仕事をしたい韓国の俳優は?」と問われ、真っ先に名前を挙げたのがソン。その帰り、待っていたエレベーターに乗っていたのがソン本人で、偶然の初対面に「縁があると感じていた」と振り返った。

 「ベイビー・ブローカー」の脚本も、ソンが登場するシーンがまず思い浮かび執筆を開始。一緒に話を進めていた共演のカン・ドンウォン(41)、ペ・ドゥナ(42)ら、全て当て書きで仕上げた。

 カンヌ閉幕後は直接韓国入りし、同国でプロモーションを展開。そして、24日に母国で公開され「作品として結実し、日本でのスタートにソン・ガンホさんらを迎えられうれしく思う。夢がかなって、こういう形になった」と感激に浸った。

 ソンも、赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)に預けられた赤ん坊を売りさばくブローカーという難役だったが「監督のファンで、作品は全て見ていた。どんな役でもやらせてもらうつもりだったので、オファーにはとてもワクワクした」と相思相愛を強調した。

 配給によれば興収10億円を狙える好発進で、是枝監督は「ベイビー・ボックスの取材を重ねるほど、人間の命をどう考えるべきかと登場人物たちが悩む話にちょっとずつ変わっていった。見てくださる皆さんも同じような旅をして、一人の赤ちゃんの運命を考えていただけたらうれしい」と真摯(しんし)に語った。

続きを表示

この記事のフォト

2022年6月27日のニュース