まつむら眞弓 平和への祈り込め神戸大空襲を語り継ぐ…77年目の慰霊祭、朗読を披露

[ 2022年3月19日 16:20 ]

神戸大空襲の合同慰霊祭で三木谷君子さんの手記を朗読したまつむら眞弓
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 3月17日の神戸大空襲から77年目を迎えた17日、神戸出身の女優・まつむら眞弓(年齢非公表)が同市兵庫区の薬仙寺で営まれた合同慰霊祭に出席し、朗読を披露した。

 慰霊祭は1971年9月設立の「神戸大空襲を記録する会」が翌72年から毎年3月17日に開催してきたもので、今年で51回目。東灘区で産声をあげたまつむらは「幼い頃から大空襲の話を母親から聞かされて育ちました。その母を2019年に亡くし、何か私に出来ることはないものかと神戸市役所に電話し、記録する会につないでいただきました」と経緯を説明した。

 法要が執り行われ、体験者の話に続いて、まつむらがマイクの前に立った。作品は、もう少しで2歳になる愛娘の弘子ちゃんを目の前で亡くした三木谷君子さんの手記「地獄の大輪田橋」で、心を込めて読み上げた。

 市の資料などによると、1月から8月まで120回以上の空襲に見舞われ、7000人以上の尊い命が奪われた神戸。特に被害が大きかったのが1945年3月17日、5月11日、6月5日の3回で、弘子ちゃんが犠牲になったのは3月17日の空襲だった。

 顔、両手両足に火傷を負い、抱き締めてあげることもかなわなかった母・君子さんの悲しみ。まつむらの約10分間の手記朗読が参列者の胸を締め付けた。ちなみに、市役所から記録する会につないでもらった際、会長を務めていたのが中田政子さん。弘子ちゃんが亡くなって半年後に生まれた妹さんだ。2度ほど直接電話で話すことが出来たそうだが、その政子さんも2021年6月26日に75歳で他界。君子さんの手記を朗読できたことに、まつむらも不思議な縁を感じている。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でここ数年は規模を縮小して開催している上、折しもロシア軍によるウクライナ侵攻で世界が激しく揺れている中での慰霊祭。「戦争の悲惨さを風化させてはいけない」(小城智子事務局長)の言葉を受けて、まつむらも同じ思いを改めて強くしていた。

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