安藤忠雄氏&細野晴臣 トークイベントで親世代に苦言「今の子どもには感性を磨く時間がない」

[ 2021年11月8日 18:52 ]

トークショー「こどもたちに伝えたいこと」に出演の細野晴臣(右)、安藤忠雄氏
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 建築家・安藤忠雄氏(80)、音楽家・細野晴臣(74)が8日、大阪・中之島の「こども本の森 中之島」でトークイベントに出演。「こどもたちに伝えたいこと」をテーマに1時間、トークを繰り広げた。

 初対面の大御所が2人。こども図書館中央の階段状スペースに幼児から小学生までの子ども20人を含む70人が集結した。「こども本の森 中之島」を自ら設計して建設し、大阪市に寄付した安藤氏は「大阪の森小路、下町で育った私には音楽もない、本もない、演歌だけ」と冒頭から笑わせた。若い頃の海外での経験を披露。オーストリアの首都・ウイーンで音楽に触れ「音楽と建築は似ている。構造も、数学を使うところも、イマジネーションも。近いところを感じる」と語った。

 さらに「できるだけ子どもには音楽を聴かせてほしい。生涯、心の中に残る。感性を磨くべき」「10代の頃に夏目漱石の『坊ちゃん』を呼んで」などと説いたが、「今の子どもには感性を磨く時間がないですね。12キロの鞄を背負って、両手にも鞄を。聞けば『勉強に行く』って。もう少し、ボーッと音を聴かせてやれれば」と現代の子どもを持つ親世代に苦言を呈した。

 細野は12日からデビュー50周年記念展「細野観光1969―2021」を開催。また、19年に米国で初開催された自身のライブドキュメンタリー映画「SAYONARA AMERIKA」(佐渡岳利監督)も12日に公開となる。「古い建物があり、新しい建物も。公園があって、カフェがあって。大好きな場所。こういうところが東京にあれば、もうちょっとノンビリ暮らせる」と、大阪・中之島にある、都会のど真ん中の子ども図書館の立地を気に入った様子。安藤氏から「ここで音楽、やってくださいよ」と投げかけられ「やらせてください」と即答して拍手を浴びた。

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2021年11月8日のニュース