森高千里 デビュー日に“近年最短”ミニでツアー開始 「渡良瀬橋」ゆかりの足利市民会館惜別ライブ

[ 2021年5月26日 05:30 ]

栃木・足利市民会館でのラストコンサートを行った森高千里はミニスカート姿を披露
Photo By 提供写真

 森高千里がデビュー記念日の25日、栃木県の足利市民会館でコンサートを行い、新型コロナウイルス感染防止のため昨年から延期してきた「この街」TOUR 2020-22をスタートさせた。足利市は1993年のヒット曲「渡良瀬橋」の舞台。数々の森高伝説を刻んだ会場が老朽化で来月閉館となるため、この日だけは「さようなら 足利市民会館 ありがとう五十五年」のサブタイトルを付け特別な思いを込めてマイクを握った。

 大きな手拍子で迎えられながら、20代の頃のような超ミニスカート姿で登場。1曲目は応援ソング「ファイト」。コロナ禍とたたかうファンを歌声で元気づけた。

 コロナの感染拡大防止ガイドラインに沿って、観客は収容人数半分以下の約700人。パフォーマンスも1時間30分に制限。その分、森高にとって初の1日2回公演となり、昼夜で約1400人を前に15曲ずつ歌った。前後左右とも1人分ずつ間隔の空いた客席に向かって「今日は私のデビュー記念日でもあるので、そんな日にステージに立っていられるのも感謝です」とあいさつ。声援を送りたくても送れないファンに「みなさんが声を出せないのはつらいですが、コンサートができるだけでも感謝。熱い気持ちで応援してくれたらうれしいです」と呼び掛けた。

 足利市民会館では過去に3公演を開催。築55年を経て取り壊される前にファンとお別れしたかった。忘れられないのが93年6月15日の公演。「渡良瀬橋」をご当地で初披露すると、地元ファンは大合唱で歓迎。その手厚さに感激した森高は思わず泣き崩れてしまったエピソードがある。

 結婚、出産後の、なかなかステージに立たなかった時、復帰公演に選んだのもこの会場。2013年3月に約15年ぶりのコンサートを開いた。前年12年末に、「渡良瀬橋」に登場する「八雲神社」が火事で焼失したことに心を痛め、再興へのチャリティーもかねて開催。これが弾みとなって2019年までは、精力的にライブを行ってきた。

 しかし、コロナ禍で状況は一転。昨年6月から予定した「この街」TOUR 2020-22は中止が続いた。当初3月に予定しながら延期を余儀なくされた経緯もあり「本当にツアーができる状況に間に合ってよかった」と笑顔。公演前には八雲神社に立ち寄り、感謝状を受けたことを観客に報告。「再建の際の募金の感謝状をいただきました。私とみなさんの感謝状。みなさんのおかげです」と一礼した。

 「今日は会館に入る前に渡良瀬橋を渡って来ました」と明かし、「渡良瀬橋」の間奏ではリコーダーを演奏。「私がオバさんになっても」「17才」「気分爽快」「私の夏」などヒット曲も連発。ツアータイトル曲の「この街」では、「足利しゅうまい」「岡田のパンヂュウ」などご当地グルメを間奏のセリフに盛り込んだ。

 「今年のコンサートツアーがここ足利市民会館でスタートできたのは本当に感慨深いです。この足利市民会館がなくなってしまうのは本当に寂しいです」と思いを伝え、「私にとって足利は第二のふるさとです。みなさんにとっても特別な場所であって欲しいな」と語った。

 19年以来となるツアーの初日を特別な会場で終えると、「みなさんに歌で元気を届けたいと思っています。配信ライブとかもやりましたが、やっぱり、皆さんの前でやるのが一番私のパワーが出る時間。みなさんに元気を届けたい!」と約束。「初日を足利で迎えられたこと、忘れられないコンサートになりました。また足利でコンサートをやりたいです」と誓った。

 足利市側もこの日は午後6時を知らせる市内放送のチャイムを「渡良瀬橋」にした。
 

続きを表示

2021年5月26日のニュース