【TV座談会】お正月イチ押し番組は?今後のテレビは?担当記者がトーク

[ 2020年12月30日 08:00 ]

無観客のNHK紅白歌合戦 「格付け」GACKT連勝記録更新は? 「逃げ恥」SP お正月も注目番組が目白押し!(写真下は(C)TBS)

 スポニチアネックスの放送担当記者が、年末年始のイチ押しテレビ番組を紹介する特別座談会です。新型コロナウイルスの影響でテレビ業界もリモート出演や現場での徹底した感染防止対策など“新様式“に対応する新時代を迎えました。これからのテレビについても触れつつ、お正月おすすめ番組をピックアップします。

 【放送担当キャップ】今年はいろいろありすぎたね。もう振り返るのも嫌だよ(笑)。来年こそはコロナが収束することを願ってやまない。さて、「静かな年末年始」「ステイホーム」のお正月。記者の年末年始イチ押し番組を教えてください。

◆どうなる無観客の紅白 「格付け」GACKT新相棒は?◆

 【A記者】まずは大みそかについて話しましょう。注目は史上初の無観客開催となるNHK「第71回紅白歌合戦」(後7・30)。毎年NHKホールからの生中継で観客席の盛り上がり、臨場感が伝わってくるのが魅力でしたが…。

 【B記者】紅白のリハーサル取材も記者にとっては年末の風物詩だったのになあ。今年1年を彩ったアーティストたちに直で取材できるし、リハからお祭り感があるよね。名誉の場なので、アーティストも普段より上機嫌、テンション高めで話してくれることが多いし。今年は代表取材などの措置が取られ、報道陣だけでなく出演者側も同行スタッフの人数が少なくなった。感染防止対策だからやむなしだけど残念だ。

 【キャップ】無観客だからこそできる演出に期待したいね。今年はNHKホールだけでなく、NHK局内全体が舞台になる。個人的には白組司会の大泉洋と総合司会のウッチャンとの化学反応も楽しみだ。裏番組の筆頭は今年も日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の特番「絶対に笑ってはいけない」シリーズ(31日後6・30)かな。

 【A記者】放送前からいろいろ話題になっていますからね。今年もどんなゲストが登場するか、ワクワクです。

 【B記者】お正月は笑って過ごしたいよね。“笑うと免疫力上がる説”を信じたい(笑)。30日はテレビ朝日「アメトーーーーーーーーーーク年末5時間SP」(後6・30)、31日から元日にかけては日本テレビが分厚い展開。「ガキ使」からの「ぐるナイおもしろ荘!」(深夜0・30)「日本で一番早いお笑いバトル!フットンダ王決定戦2021」(深夜2・00)と続く。ほかにも元日のフジテレビ「新春!爆笑ヒットパレード2021」(前7・00)、TBS「ドリーム東西ネタ合戦2021」(後9・00)など恒例番組も。長時間特番のために録画機器の容量も空けておきました。

 【A記者】元日はABCテレビ・テレビ朝日系「芸能人格付けチェック!」(後5・00)も見たいです。個人62連勝中のGACKTはタッグを組むゲストを自らスカウト。オファーを受けた強心臓のゲストが気になります。

◆ドラマは「逃げ恥」SP、「教場2」が期待度◎◆

 【キャップ】年末年始のドラマはどう?

 【A記者】やっぱり2日放送のTBS「逃げ恥」スペシャル(後9・00)。待ってました!という感じです。同局関係者も満を持してというか、気合入ってますね。予告ではガッキー演じる森山みくりと、星野源演じる津崎平匡がママとパパになったことが明らかに。あの2人がどういう子育てするのか、新たな家族生活を送るのか、注目です。

 【B記者】僕はキムタクの「教場2」(フジテレビ3、4日後9・00)。今年始めに放送された「教場」は面白かった。冷徹な教官・風間公親が、さまざまな思惑を持つ生徒たちの秘密やトラブルを暴きながら指導していく物語。キムタクの新たな一面が見られた気がする。

 【キャップ】ほかにジャンルを問わず、番組名だけでもこの場で紹介したいものはある?

 【A記者】大みそか深夜のNHK Eテレ「あけましてねほりんぱほりん2021」(深夜0・10)、元日のフジテレビ「有吉の冬休み 密着77時間in沖縄」(後9・00)、2日の日本テレビ「第7キングダム 新春SP」(後11・00)、3日のフジテレビ「VS魂」(後6・00)ですね。

 【B記者】元日のNHK総合「あたらしいテレビ2021」(後10・00)、2日のテレビ東京「ものまね芸人151人がガチで選んだいま本当にスゴイ!ものまねランキング」(後11・30)。地上波放送の映画では3日のテレビ朝日「天気の子」(後9・00)、8日の日本テレビ「パラサイト 半地下の家族」(後9・00)が見たいです。

◆ステイホームで「課金視聴」ハードル下がり…◆

 【A記者】ステイホーム時間が増えたため、有料放送や有料ライブ配信など「課金視聴」に対するハードルが低くなった気がします。

 【B記者】大みそかは嵐、サザンオールスターズら超人気アーティストが配信ライブをやるね。在宅率が上がっても地上波以外のコンテンツを楽しむ視聴者がたくさんいそうだね。

 【A記者】テレビ局にとっては耳の痛い話かもしれませんが、私の周りでは「地上波テレビ見る派・見ない派」が昨年より二極化してきた印象です。「見ない派」はNetflixやAmazonプライムビデオなどの配信系や、YouTube、SNSにどっぷりで「テレビ見るものなくない?」って言ってますよ。

 【B記者】ウチは7歳と5歳の子供がいるけど、You Tube大好きだね。緊急事態宣言中は学校行けなかったから、子どもたちが退屈しないようにと思って「ディズニープラス」に加入したら、まあ止まらない(笑)。ずっと見ているよ。「パパ・ママタイムだよ」と言って地上波にチャンネル合わせたら子どもたちに“えー…”ってガッカリされたな。

 【キャップ】若い世代はテレビ見ないんだなあと実感するよ。ウチのめいっ子やおいっ子は中高生だけど、スマートフォンやタブレットが生活の中心にあるから、その端末で見られるものを見るって感覚だ。

 【A記者】テレビ局は、放送後の番組を無料配信する共通サイト「TVer」の強化はもちろんのこと、生放送をネットでも視聴できる同時配信サービスに注力すべきですね。

 【キャップ】今春からNHKが「NHKプラス」を開始した。日テレも10月から実験的に部分的な同時配信をスタート。この流れが加速するか、21年は注目だね。

 【B記者】新時代はテレビ、ラジオ、ネットとか、メディアを区切る必要はなくて、面白いコンテンツ、バズるコンテンツだったらどんなメディアでも注目を集めるものになる。当たり前のことだけど「中身が肝要」ってことですね。

 【A記者】コンテンツは中身が大切ですが、最近はネガティブ要素が表出すると熱が冷めていくスピードも早いなと感じます。テレビではありませんが、SNSで展開された4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」。物語は素晴らしかったのですが、完結後の“商業展開”がよろしくなかった。テレビではリアリティー番組で悲しい出来事がありました。YouTubeでは“炎上系”が以前より面白がられていません。バズるコンテンツは結果論のようなものだと思いますし、世の空気や時流によってでもある。ですから、私はテレビ局には「YouTubeはYouTube」と割り切ってもらいたい。各テレビ局の、各番組の制作班が「この企画が面白いんだ」「これを撮りたいんだ」という番組をつくってもらいたいです。

 【B記者】我々の新聞業界もだけど、2021年は“オワコン”って呼ばれるメディアもまだまだ頑張りますってところを見せたいね。

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