「テラハ」制作会社が“炎上編集”主導 トラブル、仲たがい強調…出演者からも疑問の声

[ 2020年5月31日 06:00 ]

2020年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会に参戦した木村花さん
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 恋愛リアリティー番組「テラスハウス」の出演者だった女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が23日に死去した問題で、同番組を制作するイースト・エンタテインメント社が、出演者の行動の一部を切り取るような編集を主導していたことが30日、分かった。ネガティブな側面を強調する番組内容に、出演者からは批判の声も上がっていた。

 テレビ局関係者によると撮影から編集、仕上げまでを同社が担当。企画を立ち上げた同社のプロデューサーが監修している。「表面の美談だけでなく、人間の生々しさを撮りたい」というプロデューサーの方針の下、撮影や編集は部下のスタッフが行っていた。

 番組関係者によると「トラブルや仲たがいを強調しているような映像が多数見受けられ、出演者からは不安や疑問の声が上がることもあった」という。スタッフは、プロデューサーの方針に加え、視聴者の反応を測る意味で、ネット上の書き込みを参考にしていたとの情報もある。

 木村さんは番組内での行動を巡りネット上で中傷を受けたが、過去にも中傷を受けた出演者は数多くいた。番組関係者は「スタッフはそうした声を把握していたはず。ただ、訴えがあった場合、所属事務所がその都度、精神面のケアをしていたケースが大半だったと聞いています」と話した。

 共同で制作を担当したフジテレビは29日、遠藤龍之介社長が「認識が十分ではなかった」とコメントし、検証を行うとしたが、イースト社は現在まで一貫して対応をフジテレビに委ねている形だ。放送関係者は「最終的に放送を決め、ネットフリックスへの番組提供など素材管理を行っているのはフジ。最も責任を負う立場であることは当然だ。しかし、番組の方向性や編集を主導したイースト社にも説明責任はある」と指摘する。

 この日、都内で営まれた木村さんの葬儀では、親族やプロレス関係者約80人が最後の別れをした。木村さんは誹謗(ひぼう)中傷が過熱したタイミングで自殺を図ったとみられるだけに、真相の解明に向け、制作会社にも詳細な説明が求められる。

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2020年5月31日のニュース