杉咲花 20年秋朝ドラヒロインに感涙 大阪の喜劇女優・浪花千栄子演じる

[ 2019年10月31日 05:30 ]

NHK連続テレビ小説「おちょやん」のヒロインを務める杉咲花(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 NHKは30日、来年秋スタートの103作目の連続テレビ小説の制作発表を行った。タイトルは「おちょやん」で、ヒロインは女優の杉咲花(22)。“大阪のお母さん”として親しまれた女優・浪花千栄子の半生をモデルに描く物語。杉咲は東京・渋谷の同局で行われた会見で「皆さんにとって大事な15分を、明るくパワーをもらえるひとときにできれば」と意気込んだ。制作は大阪放送局。

 浪花は「松竹新喜劇」の前身「松竹家庭劇」に参加し喜劇女優として活躍。喜劇俳優の渋谷天外(2代目)と離婚後は一時女優を離れたが、復活。黒澤明監督の映画「蜘蛛巣城」や大河ドラマ「太閤記」など映画やドラマに多数出演し、オロナイン軟膏(なんこう=大塚製薬)のCM出演でも親しまれた。

 杉咲がヒロイン決定を知らされたのは8月。所属事務所に「打ち合わせ」で呼ばれ「理解できずにパニックに。こんな日が来たんだとうれしくて泣きました」と明かした。

 16年度前期「とと姉ちゃん」で主人公の妹役以来2度目の朝ドラ。「演技力が非常に高く、チャーミングさと力強さを兼ね備えた希有(けう)な方」(桜井壮一制作統括)として、オーディションなしの起用となった。

 クランクインする来年4月から大阪暮らしが始まる。「おいしい物を食べて頑張りたい。たこ焼きと串カツが食べたい」と笑顔を見せた。

 放送は週5日で、全130話。脚本はTBS「半沢直樹」「下町ロケット」などで知られる八津弘幸氏(48)が担当する。

 ◆杉咲 花(すぎさき・はな)1997年(平9)10月2日生まれ、東京都出身の22歳。10歳でドラマデビュー。味の素「Cook Do」のCMで話題を呼んだ。2013年、TBS「夜行観覧車」で注目され、16年に映画「湯を沸かすほどの熱い愛」で第40回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞・新人俳優賞などを受賞。NHK大河ドラマ「いだてん」にも出演。

 《オロナインCM看板でおなじみ》浪花の「オロナイン軟膏」のCMは、1963年(昭38)から全国に貼り出された金属製のホーロー看板でもおなじみ。本名は南口(なんこう)キクノ。同社は「今でも軟膏のCMにピッタリのお名前と言われますが、それが起用理由だったかは、当時の資料がなく分からない」としている。

 ▽おちょやん 大阪の古い言葉で、料亭やお茶屋さんで働く“小さい女中さん”を意味する言葉。浪花千栄子も小さい時に女中奉公をしていた。その言葉の親しみやすさ、可愛らしさ、意地と誇りの象徴としてタイトルとなった。

続きを表示

2019年10月31日のニュース