落語芸術協会 新会長の春風亭昇太“公約”は「5000円の花束よりは3000円の祝儀」!?

[ 2019年6月27日 13:58 ]

「公益社団法人落語芸術協会 新会長就任会見」に出席した(左から)前会長代行で参事に就任した三遊亭小遊三、新会長の春風亭昇太、新副会長の春風亭柳橋
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 落語家の春風亭昇太(59)が27日、昨年7月の桂歌丸さん(享年81)の死去後、空席となっていた公益社団法人落語芸術協会(芸協)の新会長に同協会の総会・役員会を経て、就任した。任期は2年で、新副会長は、昇太の指名により、春風亭柳橋(63)が就いた。

 新会長の昇太は「古典芸能としての落語の一番の特徴はフットワークが軽いことだと思っている。普通の芸能だと、舞台とか装置に手がかかるところを落語はマイク1本、座布団1枚でできる。ますます日本中、いろいろな地域で生の落語に触れていただく機会をできたら」と力を込めた。さらに「新会長として思っているのは花束とかをよくいただくんです。嬉しいんですけど、持って帰るのは大変。私が一番訴えたいことは、5000円の花束よりは3000円の祝儀。これを日本中に広めていきたい」と笑いを交えて“公約”を掲げた。

 これには、昨年6月から会長代行を務めてきた副会長の三遊亭小遊三(72)も「素晴らしいビジョンだ。(花束の)百合の花粉が紋付についたら致命傷になる。うっかりするとやっちゃう」と助け船。昇太は「みんな車で帰るわけじゃない。電車の中に花粉が隣のお客さんについちゃったら申し訳ないので。あと、大きいお土産は送ってもらいたい」と付け加え、笑わせた。

 昇太は日本テレビの人気演芸番組「笑点」の司会に続いて歌丸さんの跡を継ぐ形となった。昇太は歌丸さんについて「亡くなられてから、時が経つにつれて、僕の中でも落語協会としても、あの存在は大きかったなと思います。ますますその思いは強くなって大きくなっています」としみじみ。「『笑点』の司会も今回の会長も両方とも僕が想定していたよりも早く来てしまった」としつつも「こういうことはバリバリ元気で動けるときにやっておいたほうがいいことかなと思うので、頑張りたい。歌丸師匠からのアドバイスは特にありません。でも、雑誌で『これからは小遊三さんと米助さんと昇太さんに頑張ってもらいたい』というのを読んだことがある。そういうことでいうと、会長職を引き受け、小遊三師匠、米助師匠も参事という形に協会に残っていただけたので、歌丸師匠の思いはうまい具合に伝わったのかなと思う。協会、力を合わせて歌丸師匠の何分の1か分かりませんけど、頑張っていけたら。どこかで見ていてくれているとは思う」と語った。

 昨今、話題となっている事務所を通さず仕事をする“闇営業”についても質問が飛んだ。昇太は「とにかく我々は公益法人なので、落語っていう、日本にしかない演芸スタイルなんですけど、それを通じて社会に貢献、文化を広めていくのが公益法人の役割なので。反社会的勢力っていうのはもってのほか。その辺は協会員も自覚はしています」とキッパリ。「落語家も社会人。ちょっと前は落語家、芸人さんだからっていうのがあったと思う。それが通用しない時代になっているので、社会人として、協会員みんなが襟を正していってもらいたい。ちなみに、私はそういう営業をやっておりません」と笑顔を浮かべた。

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