「いだてん」主演リレー会見 勘九郎は「宝物になった」と感慨 サダヲ「やるしかない」

[ 2019年6月11日 13:59 ]

大河ドラマ「いだてん」主演たすきリレー会見に出席した中村勘九郎(左)と阿部サダヲ
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 NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(日曜後8・00)でダブル主演する歌舞伎俳優の中村勘九郎(37)と俳優の阿部サダヲ(48)が11日、東京・渋谷の同局で「主演たすきリレー会見」を行った。同作は、勘九郎演じる金栗四三を主人公とする第1部が第24回(23日放送)「種まく人」で最終回を迎え、阿部演じる田畑政治が主人公となる第2部が第25回(30日放送)「時代は変る」からスタートする。これを受け、異例のたすきリレー会見となった。

 第1部がクライマックスを迎えるにあたり、勘九郎は「去年の4月にクランクインして、約1年間撮っていたわけですが、本当にさまざまな出会いが金栗さん、僕を強くしてくれた。濃い1年間でした。役者人生の中でもこの先も経験できるかできないかということを1年間でやらせてもらいました。宝物になりました。金栗さんはすごく強い人なので、僕はメンタル的に強くないが、金栗さんのメンタルが引っ張られた」と感慨。第24回では、関東大震災、そこから前を向くために行われた復興運動会が描かれる。「懐かしい人も出てきて、お祭りのような感じになった」と笑顔を浮かべつつ、第2部については「凄かったですね。圧倒的な熱量とパワーと、なんかすごい人って人ですね、田畑さんって」と感心しきりだった。

 そんな勘九郎の話を横で聞きながら「大河の主役を続けてきたってことで、結構長くしゃべるんですね。しゃべれるなと思って」とイジって笑わせた阿部。「思い出がいっぱいありますもんね。本格的な撮影はまだ4カ月ぐらいなので、(話すことは)あんまりないですけど、大河って凄いなぁって思う」と話した。

 「選手引退して、指導者になってからも金栗さんもすごい良かった。金栗さんは今後も出てくるし、見せ場もあるんですけど、凄く良かった」と第1部での勘九郎の熱演を絶賛。それを受けての第2部となるが、「急にポスターもガラッと変わっているので、芝居も凄く変わっているように見えると思う。思いっきりやるしかない。田畑さんって得体知れない、何をするか分からないところがあるので、僕も現場でも何をするか分からない感じやりたい。それを受け止めてくれる役者さんもたくさんいるので、楽しくやっています」と充実の表情を浮かべた。

 今後出てくるシーンの例として、ベルリン五輪の話を挙げ、「ヒトラーがいるんです。大変な緊張感で、すごいですね。“ヘイ!”ってヒトラーさんを呼び止めるシーンがあるんですけど、ドイツ語指導の方に『“ヘイ!”って言ったら射殺されますから』と言われて。書いてあるから言わなきゃって思って」と裏話を明かした。

 第1部主演の勘九郎が「(撮影は)まくことはないです」と“先輩”としてアドバイス。阿部は「田畑さんはせっかちなので、せっかちな役作りをしてくれってって言われているんですけど、(スタッフには)せっかちな人がいない。非常に丁寧に撮ってる」と話し、笑いを誘った。

 大河ドラマ58作目の「いだてん」は、86年「いのち」以来33年ぶりの“近現代大河”。2013年前期の連続テレビ小説「あまちゃん」で社会現象を巻き起こした脚本家の宮藤氏が大河脚本に初挑戦。オリジナル作品を手掛ける。20年の東京五輪を控え、テーマは「“東京”と“オリンピック”」。日本が五輪に初参加した1912年のストックホルム大会から64年の東京五輪まで、日本の激動の半世紀を描いている。前半が中村、後半が阿部を中心に、2人の主演によるリレー形式で放送。主演リレーは93~94年の「炎立つ」、00年の「葵 徳川三代」以来19年ぶり3度目となる。

 勘九郎は「日本のマラソンの父」と称され、ストックホルム大会に日本人として五輪に初参加した金栗四三(かなくり・しそう)、阿部は水泳の前畑秀子らを見いだした名伯楽で64年の東京大会招致の立役者となった新聞記者・田畑政治(まさじ)を演じる。

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