ジョニー・ウィアー氏涙…22年にプロスケーター引退「新しい挑戦も楽しみ」

[ 2019年6月11日 22:59 ]

映画「氷上の王、ジョン・カリー」舞台あいさつイベントに登壇したフィギュアスケートの元米国代表ジョニー・ウィアー氏
Photo By スポニチ

 フィギュアスケートの元米国代表ジョニー・ウィアー氏(34)が11日、都内で開かれた公開中の映画「氷上の王、ジョン・カリー」(監督ジェイムズ・エルスキン)の舞台あいさつイベントに出席。自身のスケートにも人生にも大きな影響を与えてくれたカリーへの思いとこれからの人生について語った。

 ウィアー氏は現在、公演中のアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」の合間をぬって、神戸で購入したというイッセー・ミヤケのカラフルな服で登場。600人のファンを前に「みなさんこんばんは。ジョニー・ウィアーです。東京に来られて最高です」とあいさつした。

 ウィアー氏は2003―04年シーズンから全米選手権3連覇を達成。五輪には2度出場し、08年世界選手権では3位となった。13年に競技生活引退を発表し、現在はプロとしてアイスショーに出演や衣装デザインなどで活躍している。そんなウィアー氏が影響を受けたのが、アイススケートをメジャースポーツに押し上げ、芸術の領域までに昇華させた英国人スケーターのジョン・カリー氏。ウィアー氏はカリー氏を「ディテールに注目し、自分の感情を表現するスケーターで、技術も最高で完璧主義だった」と評価。1976年インスブルック冬季五輪で金メダルを獲得するも、真っ先にマスコミが取り上げたのが表に出るはずのなかったカリー氏のセクシャリティーだった。まだ同性愛に理解のなかった時代に偏見に屈することなく高みを目指し続けたカリーの姿にウィアー氏は「彼が僕を創った。ありのままでいられる僕を」と語る。

 06年トリノ五輪に初出場を果たしたウィアー氏は「国のためにメダルを獲ろうと頑張ったが実績が残せなかった」と悔やむ。「会見ではいろいろな質問があると思っていたのに、記者たちが唯一聞きたかったのは“ゲイだよね?”。それより失敗した気持ちを聞いてもらいたかった」と残念そうに振り返った。その後も「バンクーバー五輪ではメダルは獲れなかったけれど、最高のパフォーマンスができたと思っていたのに、あるカナダ人の記者が僕の性別をはっきりさせようとして…。いまから9年前ですけど、まだそういうことがあったのを残念に思いました」という。そんな世の中の風潮を変えたいと思い、記者会見でも質問にもきちんと答えてきたというウィアー氏。「自分の性格は十分強いと思っているけれど、そこまで強くない人もいる。そこで、そういう人をサポートしていきたいという気持ちが生まれました」。人々の認識は変わりつつあるが、まだ十分ではないという。

 イベントでは、プロスケーターとしても2022年に引退すると表明したことを問われ、「はい。そうですか」と日本語で答えたウィアー氏。「長年、スケートやってきて、そもそも出身は雪が降ったら2週間出られない小さな集落。そこから五輪選手が出たということ。実績が残せたことをいまは幸せに思っています」と微笑んだ。「いままで経験してきた各瞬間が心の中に刻まれている」と感慨深げに語ったウィアー氏。また「滑って転んで、しばらく痛みが続く」こともあり、「練習する時間が十分に取れなくなった」とも明かした。しかし、「この道は自分だけでなくファンのみなさんといっしょに歩いて来た道。私が成功するときも失敗するときもずっと支えてきてくれたことに感謝しています」とうっすらと涙を浮かべた。「この話をすると、毎回涙が出る。辞めたくないという思いは強いけれど、自分が去ったあとには若い選手がいて…。これからは見守り続ける立場になる新しい挑戦も楽しみ」と話した。

 最後には「泣かないように頑張ります」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せていた。

続きを表示

「美脚」特集記事

「連続テレビ小説「スカーレット」」特集記事

2019年6月11日のニュース