「いだてん」第2章 女子体育のカギは杉咲花!シマは最重要創作キャラ 四三と人見絹枝“橋渡し”

[ 2019年5月12日 08:00 ]

大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」第2章後半のキーパーソンはシマ役を演じる杉咲花(C)NHK
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 歌舞伎俳優の中村勘九郎(37)が前半の主演を務めるNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(日曜後8・00)は第2章の後半へ突入。1916年(大5)のベルリン五輪が第1次世界大戦のため中止となり、雪辱のチャンスを断たれた主人公・金栗四三は後進の育成を新たな夢とし、箱根駅伝の創設や女子体育の普及に突き進む。第2章の前半は四三とスヤの夫婦愛を描くホームドラマだったが、後半のキーパーソンは三島家の女中だったシマ役を演じる女優の杉咲花(21)。制作統括の訓覇圭チーフプロデューサー(CP)に第2章後半の見どころを聞いた。

 大河ドラマ58作目。2013年前期の連続テレビ小説「あまちゃん」で社会現象を巻き起こした脚本家の宮藤官九郎氏(48)が大河脚本に初挑戦し、オリジナル作品を手掛ける。20年の東京五輪を控え、テーマは「“東京”と“オリンピック”」。日本が五輪に初参加した1912年のストックホルム大会から64年の東京五輪まで、日本の激動の半世紀を描く。

 第14回(4月14日)から第2章がスタート。第1章を「明治編」とすれば、第2章は「大正編」となる。

 第16回(4月28日)、思わぬ再会があった。教員になる道を捨て、プロのランナーとしてベルリン五輪を目指し始めた四三(勘九郎)は東京・大塚の足袋屋「播磨屋」の2階に居候。その向かいの家に見覚えのある顔が…。四三とストックホルム五輪に日本人初参加した“盟友”三島弥彦(生田斗真)の家に仕えていた女中・シマ(杉咲)だった。シマは「実は三島家からお暇を頂きまして。で、今はこちらに下宿して、あそこのミルクホールで働きながら、東京女子高等師範を目指して勉強しているんです」と四三にあいさつした。

 シマは弥彦のよき理解者。オリンピックに挑む四三と弥彦の姿を目の当たりにし“スポーツ”の魅力に引き込まれる。しかし、オリンピックへの女子の出場には大きな壁がそびえ立つ…。

 史実と綿密な取材を基にストーリーを展開している「いだてん」にあって、シマは数少ない架空の人物。訓覇CPは「金栗さんは女学校の教師になり、日本の女子スポーツ発展に尽力しました。ただ、日本人女性初のオリンピック選手・人見絹枝さん(菅原小春)と金栗さん、絶対に交流があったと思うのですが、残念ながら直接関係していたという記録は残っておらず。金栗さんの学校に人見さんがいて、初の女子オリンピック選手を育てたなんて話があれば、これほど楽に作れるドラマはないんですが」と苦笑い。

 「当時、金栗さんは東京、人見さんは岡山。2人をつなぐ誰かが必要になりました。記録にはないですが、仮にそういう人がいたとしたら、きっと金栗さんや三島さんを見てきて、スポーツに興味を持ったのではないか?だとしたら、その人は三島家にいたのではないか、という発想です」とシマ役が誕生した経緯を明かし「ただ、女子スポーツのパイオニアといっても、あまりガツガツした人だと、楽しく見えない。ほわんとしたキャラクターがいいと思い、杉咲さんにお願いしました」と起用理由を説明した。

 脚本の宮藤氏との本打ち(脚本作りの打ち合わせ)でも「シマちゃん、どうしますか?」と度々話題になる“重要事項”になり「非常に時間をかけました。『この頃、シマちゃんは何をしているか』と年表とにらめっこになりました」と振り返った。

 宮藤氏も昨年10月の合同インタビューで「金栗さんの時代は資料が残っていないところもあるので、フィクションも盛り込めるんですが、(後半の主人公)田畑(政治)さんの時代になると、大概のものが残っているんですよね。今まさに書いているロサンゼルス五輪(1932年)なんかは、その日、何を食べたかまで分かっています。そうなるとウソがつけなくなるので、これからは情報を入れていくというより、何を捨てていくかという作業になる感じはします」と史実と格闘していることを告白。

 それは“自身初となる実在のモデルがいるドラマ”にもつながり「整合性が合わないところがどうしても出てきちゃいます。この時、金栗さんには熊本じゃなく東京にいてほしいのに、なかなか上京してこないとか。(史実の)年表と物語の辻褄を自分でマイナスには考えたくないので、おもしろい理由を考えればいい、創作が入り込む隙があると楽しく書いています。そこが『あまちゃん』と一番大きく違う点です。実在のモデルがいることのメリットは何かということを毎回考えています」と“不自由さ”をおもしろがっていた。

 訓覇CPも「それが宮藤さんの一番の原動力なんだと思います。だからこそ、シマちゃんというキャラクターも生まれました」と補足。宮藤氏の筆は第2章に入ってもブレないといい「事実ありきで、金栗さんの歴史は変えられないので、その間を想像して埋めながら、ドラマとして構成していくのが宮藤さんの仕事。宮藤さんは最初からずっと、その部分をより大事にしているので、一貫性が生まれるのだと思います。自分はこれを描きたいと思って年表を眺めるんじゃなく、年表を見ながら何が生まれてくるかというスタンス」と明かした。

 年表は「スヤを叱った」など四三の出来事が細かく並べられ、それが落語家・古今亭志ん生の青年時代・美濃部孝蔵(森山未來)や後半の主人公・田畑政治(阿部サダヲ)らの動き、第1次世界大戦などの世界史と見比べられるように、スタッフが紙やエクセル(パソコンの表計算ソフト)で作成。「もう、何種類も年表ばかり作っています。スタッフも大変だと思います」

 その意味で言えば、シマ役は“いだてん最大の発明”かもしれない。「シマちゃんはシマちゃんで『この時代の女性は、その学校に入れない』というような枷があり、それほど簡単じゃないんです。フィクションの人物だからこそ、画面に出ない裏設定をたくさん作っています。僕は杉咲さんと初めてご一緒したんですが、想定外のお芝居が突然くるので、すごくワクワクします。なので、こちらも杉咲さんの想定を超えなきゃと思っています。是非、楽しみにしていてください」。シマは今後、日本橋の百貨店に勤める増野(柄本佑)と見合い結婚。長女を授かる。どのようにして四三たちの“歴史の橋渡し役”になるのか、期待は高まる。

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