「ライオンキング」博多弁のティモン役 江上健二「待っとったよ」に感謝

[ 2019年4月23日 09:24 ]

江上健二
Photo By スポニチ

 ミュージカル「ライオンキング」が、先月24日からキャナルシティ劇場で10年ぶりに上演されている。感動のストーリーがファンを魅了し、昨年12月に日本公演20周年を迎えた人気ミュージカルだ。登場キャラクターがご当地の方言で話すのも注目ポイントの一つ。ミーアキャットのティモン役を博多弁で熱演している、福岡県久留米市出身の江上健二に作品の魅力を聞いた。

 拍手が鳴りやまなかった初日のカーテンコール。江上の目に横断幕の文字が飛び込んできた。「“待っとったよ”って書かれてあって。うれしかったですね」と感慨深げに語った。

 生命のつながりの大切さを伝える「ライオンキング」は、日本での公演が通算1万1000回を超す人気作だ。江上は21年前に初めて劇場で見た。「パペットが出てくる表現方法に驚いた。演じてみたいと思った」。思いはかない、2000年にアンサンブル(役名のない、物語に厚みを持たせる役割)として初出演。以降もさまざまな役で作品を盛り上げてきた。ティモン役は11年以来で、新たな演出が加わったことから「役作りは一からつくり上げた感じですね」と話す。

 主人公で子ライオンのシンバが、王位を狙う叔父に父を殺されたのは自分のせいだと思い込んで故郷を離れていく。迷い込んでしまったジャングルでティモンはイボイノシシのプンバァとともに登場する。「僕の出演シーンの直前はいつもシリアスなので、打ち消して明るく出ることは意識してます」。博多弁での軽妙なやりとりに会場はいつも拍手で沸き、一気に明るい空気になる。そして「ハクナ・マタタ」(スワヒリ語で「くよくよするな」の意)の歌でシンバを力強く励まし、立ち直らせる。

 ティモン役は顔も衣装も全身を緑にして身を隠し、パペット(人形)を操りながら演技をする。「僕は背景の一つで目立っては駄目なんです」。大事なのはいかに動物のパペットがしゃべっているように見せるか。せりふに合わせてワイヤでつながれたパペットの口を巧みに動かす。パペットを回すように動かすと、表情が変化するような効果が生まれるそうだ。「稽古は常にしていますね」。今もなお試行錯誤を続けている。

 劇団四季は一つの役に対して複数のキャストがおり、江上以外の役者がティモン役を演じることもある。「個人的な希望としては長く出演したいなと思っています。福岡のお客さまに少しでも喜んでもらえたら」と語った。

 ◆公演情報
 ▽会場 キャナルシティ劇場(福岡市博多区住吉1の2の1)
 ▽アクセス JR博多駅から徒歩15分。地下鉄空港線「祇園駅」「中洲川端駅」ともに徒歩10分。地下鉄七隈線「天神南駅」から徒歩15分。西鉄バス「キャナルシティ博多前」下車すぐ。
 ▽上演時間 約2時間40分(休憩含む)
 ▽チケット料金 S1、S席は1万800円。A1、A2席は8640円。B席は6480円。C席は3240円。ファミリーゾーンはS席子供5400円。A1、A2席子供4320円。 ※チケットは、8月31日(土)公演分まで発売中。
 ▽問い合わせ 劇団四季予約センター=(電)0120(489)444まで。午前10時~午後6時。

続きを表示

2019年4月23日のニュース