藤井聡太七段 里見香奈女流四冠を82手で下す “黄金カード”に報道陣約50人

[ 2018年8月24日 12:23 ]

大阪市内の関西将棋会館で始まった棋聖戦1次予選で対戦する藤井聡太七段と里見香奈女流四冠
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 将棋の最年少プロ棋士・藤井聡太七段(16)が24日、大阪市内の関西将棋会館で指された棋聖戦の初戦となる1次予選2回戦で里見香奈女流四冠(26)を82手で下した。

 両者の公式戦での対局は初めて。史上最多の29連勝など数々の記録を打ち立ててきた天才高校生棋士と、初めて五冠になった経歴を持つ女流第一人者の“黄金カード”。里見が6月から今月にかけて対男性棋士戦で史上最多タイとなる3連勝を記録したこともあり、開局前から報道陣約50人が駆けつけるなど注目の高さを伺わせた。

 序盤、得意戦法の「先手中飛車」に構えた里見に序盤でいい形に持ち込まれた藤井が長考を連発。持ち時間を先に使い果たして早々に1分将棋に追い込まれ、記者控え室では「“ジャイアントキリング”があるかも」という声も一時漏れた。中盤以降に立て直し、貫禄勝ちした藤井も「ちょっとこちらの玉が薄い形が続いたのでいろいろ変化を警戒して、序盤で使いすぎてしまった」と反省した。

 一方、里見について「序盤で苦しめられ、手強い相手だなという印象」だったとコメント。男性棋士との比較についても「対局する上での気持ちは(男性棋士と)全く変わらなかったですし、実際に対戦しても本当に変わらない実力を感じました」と棋力は“同等”だったと認めていた。

 棋聖戦はすべてのプロ棋士と女流棋士2人が参加。1次、2次予選をまずトーナメントで行い、勝ち上がった9人にシード棋士を加えた16人で決勝トーナメントを行う。その優勝者と豊島将之棋聖(28)が来年6月から8月にかけて五番勝負を行うことになる。

 次の1次予選3回戦では村田顕六段(32)と対戦(対局日未定)。昨年は1次予選の決勝で敗れており、「今年はもう1つ上のステージを目指したい」と抱負を語った。

 今年度の成績は16勝3敗。通算成績は87勝15敗。

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