花柳貴彦氏改め「寿柳貴彦」 たった一人で新流派 お家騒動の最大流派から独立

[ 2018年5月24日 08:30 ]

「寿柳流」の創流を発表した寿柳貴彦
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 日本舞踊の最大流派「花柳(はなやぎ)流」の家元争いを巡る訴訟で、流派からの除名処分を無効とする勝訴判決が昨年確定した舞踊家の花柳貴彦氏(42)が23日、都内で会見を行い、単独で新流派「寿柳(としやぎ)流」を立ち上げることを発表した。また「寿柳貴彦」に改名したことも明らかにした。

 「花柳を名乗らなくなることに抵抗はあるが、心や精神、芸の方を大事にしたい」と決意表明。たった一人での創流となったが、花柳流初代から三代目までの家元の精神を受け継ぐ流派と主張した。

 花柳流のお家騒動は2007年に勃発。三代目家元・花柳寿輔(じゅすけ、本名・若葉)氏が急逝すると、三代目の後見人だった花柳寛氏(87)が自ら後継を宣言し四代目就任を発表。貴彦氏は三代目から後継に指名されていたと主張したものの、はっきりとした文書が存在しないこともあって受け入れられなかった。

 13年には寛氏が自身の孫である創右(そうすけ)氏(25)の五代目家元継承を発表。15年には貴彦氏を流派から除名処分とした。

 貴彦氏は除名処分の無効を訴え提訴。昨年、除名処分を無効とする判決が最高裁で確定したが、本格的な復帰には至っていない。

 貴彦氏は「花柳流の内部で是正してほしいことを訴えたが、応じてもらえなかった」と創流に至った理由を説明。寿柳流について「公明正大で、社会に開かれた流派にしたい」と語った。

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