松重豊「孤独のグルメ」ヒットに首ひねる「マンネリもマンネリ」

[ 2017年4月7日 06:00 ]

テレビ東京「孤独のグルメ Season6」試写会&記者会見に出席した主演の松重豊
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 俳優の松重豊(54)が6日、都内で行われた主演するテレビ東京系人気ドラマの最新シリーズ「孤独のグルメ Season6」(7日スタート、金曜深夜0・12)の試写会&記者会見に出席した。

 第6シリーズにして初めて制作発表が行われるという事態に、「足掛け5年、井之頭五郎を演じさせていただいているが、『Season6』にしてなぜこんな制作発表をやらされるのか、まったくもって疑問」と会見冒頭から首をひねった松重。「(シリーズ開始時にも)誰が見るの?って(思った)。おっさんが淡々と飯食ってるだけ。視聴者の皆さんがどういうふうに楽しむのか正直わからなかった。自分自身まだわかってないし、正直、どこが面白いのかなと」といまだにヒットの要因が理解できないとボヤきは止まらず。そんなボヤきもこの5年で作り上げたチームワークの賜物。松重にとって同シリーズは初の連ドラ主演作だが、「出てくる料理が主役。おいしくなければ成立しない。スタッフがお店を血眼になって探してくれて、僕は極限状態にお腹を空かせた状態で撮影に挑んでいる。その時に食べる一口目は本当においしい。(たとえ主役でも)僕がどう見えたいとか、どう格好つけたいということよりも、この食材が一番おいしそうに見えて、食べたいと思えることで成り立っている。あくまで僕はバイプレイヤーズの1つの仕事だと思っています」と冷静だった。

 松重の食べっぷりが“夜食テロ”として注目され、シリーズを重ねるごとに人気は上昇。今ではその人気も海外にまで波及している。「3、4ぐらいには地方に行ってお年寄りに声を掛けられてハッとしたが、去年あたりからは中国の方にも中国語で語りかけられるようになって、アジアに行ったなと。最近はヨーロッパまで。何が面白いのかわからないんですけど、ヨーロッパの人までこの番組も見て、愛していただけているのはまったく予想もしていなかった」と自身でも反響の大きさに驚いているようで、「俳優の修行の中で食べる修行は何もしていない。俳優の仕事とは分けて考えていますね。オファーが減らないように、太ることだけには気をつけています」と笑った。

 「別に気負うことは何もない。オワコンって言葉がこの番組にぴったりだなと。マンネリもマンネリでどこに向かえばいいんだろうという気持ちなんですが、ただおいしいものは日本、海外も尽きることはない。それがある限り、何とか形を変えてでもできるのかな」と今後のシリーズ継続にも意欲を見せた松重。今後行ってみたい店は「ロールキャベツのおいしい店」だといい、「ロールキャベツが好きで、スタッフにずっと言ってるんですけど、なかなか見つけてくれない。ロールキャベツの回があったら幸せだな」。シリーズ6になり、訪れた店も約70軒にもなる。好き嫌いがあったら大変だが、「好き嫌いがなく育っているんですが、小学校1年ぐらいの時に、サンドイッチの中にあるものが入っていて、泣きながら吐き出しちゃったものがあるんです。スタッフには何も言ってないですけど、それが出てきたら、この番組は終わりだなと。それは今、秘密です」と意味深だった。

 原作・久住昌之氏、作画・谷口ジロー氏で「週刊 SPA!」にて連載中の同名コミックを映像化したグルメドキュメンタリードラマの第6弾。12年1月にシリーズがスタートし、15年10月クールに放送された「Season5」では、シリーズ最高視聴率を記録した。初回は主人公・井之頭五郎が久しぶりに仕事で行った大阪での物語となる。

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2017年4月7日のニュース