菊之助 蜷川さんは「私にとって大恩人」05年「十二夜」演出

[ 2016年5月13日 00:29 ]

歌舞伎俳優の尾上菊之助

 歌舞伎俳優の尾上菊之助(38)が「私にとっての大恩人」と、12日に亡くなった演出家の蜷川幸雄さん(享年80)を追悼した。

 所属事務所を通じてファックスで送付した文書で、菊之助は10代のころに「蜷川さんのお芝居に出たい、出していただいたいと思っていた」と回顧。23歳の時に「グリークス」で念願がかない、「現代劇への出演が初めてだった私に、ゼロから心情を作り上げていくお芝居を教えてくださったのが、蜷川さんでした。古典の『型』に頼ることができない世界に身が引き締まったものです」と振り返った。

 また、2005年にはシェイクスピアの戯曲「十二夜」の歌舞伎版を蜷川氏が演出。「『歌舞伎に留学して、菊之助君と心中するよ』」と言ってくださったのが一番心に残っています」といい、「新しい風を巻き起こそうというエネルギーを、私に、そして『NINAGAWA 十二夜』に吹き込んでくださいました」と感謝した。

 そして「蜷川さんには感謝してもしきれない想いがあります。時に厳しく、温かく、ともに過ごした稽古場での時間は、短かったですが、私にとっての大恩人です」と続けた。

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2016年5月13日のニュース