塚本監督 男優主演賞に恐縮しきり「本当に申し訳ない」

[ 2016年2月17日 05:30 ]

男優主演賞と監督賞のダブル受賞となった塚本晋也監督

毎日映画コンクール表彰式

(2月16日)
 「野火」で史上初めて監督賞と男優主演賞をダブル受賞した塚本晋也監督(56)は「ブロンズ像を手にした瞬間に緊張が…」としばし絶句。その上で、まず監督賞について「実際に戦争を体験した人たちが少なくなっていく中で、何か(日本が)戦争に向かっていっているのでは…と感じ、お金はないけれど“いま作らなきゃ”と思って作りました」と経緯を説明。その作品を戦後70年の節目に公開し、そしてちょうど70回目の毎日映コンから賞を贈られたことに「非常に大きな意義を感じております」と語り、喜びをかみしめた。

 大岡昇平氏の小説をベースに、第2次世界大戦末期のフィリピンで極限状態に追い込まれた人間たちを描き、そして主役の田村一等兵をリアルに演じて気を吐いた。役者としては02年に「とらばいゆ」「殺し屋1」などの演技で助演賞を受賞して以来2度目の栄誉。顔のアップを多用し、その表情の変化で戦場の悲惨さを表現。その演技ぶりが高く評価されたが、やはり本職は監督という意識が強い。「ごめんなさい。すみません。いやあ本当に申し訳ない」と、こちらは恐縮しまくった。

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2016年2月17日のニュース