小澤征爾さん グラミー賞受賞に驚きと喜び「ポピュラーになると本望」

[ 2016年2月17日 15:39 ]

グラミー賞受賞を喜びを語る小澤征爾さん

 16日に音楽界の最高栄誉「グラミー賞」最優秀オペラ録音部門で受賞した指揮者の小澤征爾さん(80)が17日、京都市内で会見し、喜びを語った。受賞CDに収録されたラヴェルの歌劇「子どもと魔法」が「これをきっかけにポピュラーになると本望です」と晴れやかな笑みをみせた。

 開口一番、「(受賞に)もちろん、びっくりしています」と話した小澤さん。グラミー賞に過去8回ノミネートされていた事実も「あまり分かっていなかった」と苦笑いし、「受賞した場合のコメントを(受賞式前夜に)用意するのを忘れて寝そうになった。娘に言われて書き、渡しておいてよかった」と裏話も明かし、笑わせた。

 祝福の言葉が多数届く中、長男で俳優の小澤征悦(41)については「今ロサンゼルスにいる。もちろん知ってると思うけど、(連絡は)まだ」と明かし、「まさか息子がたまたまロスにいるとも知らず、受賞式は別の人に代理出席してもらった」と笑った。

 グラミー賞に輝いたのは、2010年に食道がんの摘出手術後、本格復帰を果たした公演を収録した作品。「今でもオタオタしてますが、あの頃はもっとオタオタしていた」と振り返り、受賞に「いかにオーケストラ、歌手が素晴らしかったかということ」と、共演した「サイトウ・キネン・オーケストラ」などを立てて感謝した。ことしも9月に長野県で開かれる「セイジ・オザワ松本フェスティバル」で同演目を上演するが、「これ(グラミー賞)もらった後は、ヘタできませんね」と笑顔。「大手術をする前は自分の体のことなんて考えたことがなかった。何とかしてみんなに迷惑をかけないようにやっていきたい」と、今後の活動にも意欲をみせた。

 会見が開かれたのは、18日から小澤さんが音楽監督・指揮をする喜歌劇「こうもり」が上演される会場・ロームシアター京都の舞台上。マスコミ約30社が集結し、舞踏会のシーンが繰り広げられる華やかなセットの中で小澤さんが約20分間にわたり対応した。「みんなに支えられながらやっている」と体力的な不安も口にしたが、入退場の際の足取りは非常に軽やかだった。

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2016年2月17日のニュース