なべおさみ 著書イベントで交流あった野坂昭如さん、安藤昇さん悼む

[ 2015年12月18日 20:10 ]

書籍「昭和の怪物 裏も表も芸能界」刊行記念トークショーを行ったなべおさみ

 タレントのなべおさみ(76)が18日、都内で書籍「昭和の怪物 裏も表も芸能界」(17日発売、講談社)の刊行記念トークショーを行い、9日に心不全のため亡くなった作家の野坂昭如さん(享年85)や、16日に肺炎のため亡くなった俳優の安藤昇さん(享年89)との思い出を語った。

 昭和33年に物書きとして芸能界に入ったというなべは「テレビをものにする人間になりたいと思っていて、役者になる方便として三木鶏郎さんが主宰する冗談工房というところに入りまして、物書きになりました」と回顧し、「物書きになった瞬間に三木さんから『奨学金をやるから1人の先生について勉強しろ』と言われ、半年間、自分が書いたものを添削していただきました」と告白。

 さらに、「この人、暗いきったねえアパートでサングラスかけてやがって、うさん臭い人でしたが、後年、野坂昭如という有名作家になろうとは、そのときは少しも思いませんでした」と昔を懐かしみ、「この間、この本が出る寸前に亡くなりました」と死を悼んだ。

 また、前作「やくざと芸能と私の愛した日本人」を出した際に、安藤さんから「細い糸を大事に紡いでいってくれるからうれしい。今20冊買いに行けって言ったんだよ」と電話がかかってきたことを明かし、「(買った20冊を)俺(安藤さん)のサインをしてみんなに配るんだよって言っていた」とうれしそうに語ったが、「一昨日、亡くなっておりました。(安藤さんに)付いている人間からもまだメールが入っていない、僕も電話しましたけど、相手も忙しくて電話に出られない。そういう状況でございます」と報告した。
 同書は、かつて昭和後期、渡辺プロ全盛時代とともに芸能界に幅広い人脈を持ち、一方で青年期に裏社会にも通じ、アングラ世界の顔役ともなったなべが、自らが知遇を得た昭和の大スターやアウトローたちの知られざる素顔を描く。イベントには、息子でお笑いタレントのなべやかん(45)も駆けつけ、「大学(明大替え玉受験)のときは『大船に乗ったつもりで俺に任せろ』と言っていたんですけど、乗った大船がタイタニック号だった」とコメントして会場を沸かせ、「前回のイベントで『ハイジャックに遭ったことを書いてほしいな』と言ったら書いてくれたので、非常に楽しみです。ぜひ読んでください」と父に代わってアピールした。

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