尾上菊之助 フィギュア羽生「レベルの高い体使い」に刺激

[ 2015年12月18日 12:36 ]

国立劇場初春歌舞伎公演「通し狂言 小春穏沖津白浪―小狐礼三―」の安全祈願を行った尾上菊之助

 歌舞伎俳優の尾上菊之助(38)が18日、東京・赤坂の日枝神社で国立劇場初春歌舞伎公演「通し狂言 小春穏沖津白浪―小狐礼三―」(16年1月3日~)の安全祈願を行った。

 安全祈願後に囲み取材に応じ、「今回は大掛かりな立ち廻りになるのでけがが一番怖いんですけど、けがなくひと月務められるように気を付けないといけませんね」と気を引き締めた菊之助。「今の時代は情報もボーダレスで、フィギュアの羽生結弦さんみたいな演技もお客様はテレビでご覧になっていて、ああいうレベルの高い体使いとか、演技をお客様もお求めになると思うので、私自身も理屈抜きに素晴らしいなと思っていただける舞台にしなければならないなと、ああいうテレビを拝見すると気が引き締まります」と吐露した。

 羽生選手から学んだことを聞かれると「一番感動したのは、周りの人がベストを尽くした上で、自分がトップになるというところが感動したところですね。研さんに研さんを重ねた上での感動、それが演技に反映するというところが素晴らしいと思いました」と語り、「昨日(17日)クラブワールドカップがやっていまして、スポーツと芸術は違いますけど、同じ人間がやっていることなので、サッカー選手の動きを見ても非常に勉強になりますね」と歌舞伎界以外からも影響を受けていることを明かした。

 同演目は、「胡蝶の香合」の紛失をめぐる大名・月本家のお家騒動を背景に、天下の大泥棒・日本駄右衛門(尾上菊五郎)、妖艶で大胆不敵な女盗賊・船玉お才(中村時蔵)、狐の妖術を自在に操る美男の盗賊・小狐礼三(菊之助)と、魅力的なキャラクターが出演する、時代・世話織り交ぜた物語。1864年に初演され、2002年に通し狂言として138年ぶりに復活。今回14年ぶりの再演となる。

 14年前に父である菊五郎が演じた小狐礼三を今回演じる菊之助は「小狐礼三は粋でかっこいい男なので、父に負けないように色男風にかっこよく務めたいと思います」と意気込み、「お正月の演目ということで、とても華やかで分かりやすく、お客様にお正月の気分を味わっていただけるような演目になっておりますので、ぜひ劇場にお越しください」とアピールした。

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