中村橋之助 悲願「芝翫」襲名に涙「歌舞伎のすばらしさ伝えたい」

[ 2015年9月28日 19:05 ]

八代目「中村芝翫」を襲名する中村橋之助
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 歌舞伎俳優の中村橋之助(50)が28日、都内で成駒屋の大名跡「中村芝翫」(しかん)八代目襲名記者会見を行った。

 今回の襲名は11年10月に死去した橋之助の父で、人間国宝、文化功労者の七代目芝翫さんの悲願であったことが松竹の迫本淳一社長から語られると橋之助が感極まり、涙ぐむ場面もあった。橋之助は名跡の襲名について「胸躍る思いでした」と喜ぶ半面、「父のすばらしい人間性、偉大さが伝わってまいります」と身を引き締め、「あれもこれも挑戦したい。古典ものにも挑戦していきたい。(お客様が)見に行きたいと思う襲名興行の演目ができれば」と意気込んだ。

 今後の歌舞伎界についても触れ、「背中を追いかけていた(中村)勘三郎、(坂東)三津五郎の2人が突然姿を消してしまい、どうなるのか心配で路頭に迷う時もありました」と胸の内を吐露。しかし、「10代、20代の子に歌舞伎のすばらしさ、信念を伝えられる役者になるのが、僕の使命」と力強く語った。

 一方、2014年に女形の「七代目中村歌右衛門」を襲名することが決まっていたが、13年11月に脳内出血で倒れ、襲名が延期となっている兄の中村福助(54)についても言及。「おかげさまでリハビリに励んでおりまして、襲名についても『すばらしいことだ、がんばるように』と言っておりました。襲名を機にもっともっと元気になって復帰しますので」と語った。

 また、橋之助の長男、中村国生(くにお=19)が四代目「中村橋之助」、次男の中村宗生(むねお=17)が三代目「中村福之助」、三男の中村宜生(よしお=14)が四代目「中村歌之助」をそれぞれ襲名。4人で来年10月の東京・歌舞伎座公演を皮切りに各地で襲名披露興行を行う。

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