愛川さん最後までアド街愛…在宅治療で番組チェック、電話で感想

[ 2015年4月18日 05:30 ]

14年「出没!アド街ック天国」で「情報テレビ番組の最高齢の現役司会者」としてギネス認定された愛川さん

 80歳で死去した司会者で俳優の愛川欽也(あいかわ・きんや、本名井川敏明=いがわ・としあき)さんの死因が肺がんであったと、所属事務所が17日、公表した。死亡時刻が15日午前5時11分だったことも併せて発表。17日は都内の斎場で密葬が営まれ、妻で女優のうつみ宮土理(71)は憔悴(しょうすい)しきった表情で参列。芸能界からは、突然の訃報に悲しみの声が上がった。

 愛川さんは都内の自宅で家族の涙に見送られ、息を引き取ったという。

 所属事務所によると、昨年冬から体調の不安を訴え、検査したところ肺がんと判明。最期まで仕事復帰の可能性にかけていた本人の希望で公表を控え、20年間司会を務めたテレビ東京「出没!アド街ック天国」の共演者にも知らせなかった。関係者は「昔は撮影現場でもよくたばこを吸っていたが、最近は控えていたようです」と話した。過去に肺の病気を患ったこともあったという。

 肺がん発症後も元気に仕事を続けていたが、スタッフの一人は「熱っぽい様子でろれつが回らなくなることもあった」といい、異変を感じていたという。愛川さん自身も体力の限界を感じたのか、スタート時から司会を務める同番組を、3月7日の放送1000回記念で降板した。

 その後も本人の希望で入院せず、在宅で治療を受けることを選択。今月3日には自宅に介護用ベッドや点滴器具が運び込まれた。病床の姿を見せたくなかったのか、自宅では親しい知人にも一切会おうとしなかった。一方で「アド街」の様子は気になったようで、峰竜太(63)が代理司会を担当した番組放送後、スタッフに電話をかけて「面白かったね」と感想を述べたり、激励することもあった。

 容体は今月に入って急激に悪化。突然の別れに、うつみも気持ちの整理がつくまで時間がかかったようで、15日の死去後、報道陣には一切対応しなかった。

 息を引き取る直前まで「仕事に行こう」と寝言のように話していたという愛川さん。命日になった4月15日はくしくも「アド街」が1995年に始まった記念日。番組関係者は「最期まで現役を貫き、番組を愛してくれた愛川さんらしい。思いを引き継いでいきたい」と話している。5月にお別れの会が開かれる予定だ。

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2015年4月18日のニュース