“政治オタク”春香クリスティーン 衆院選を語る「小選挙区はやっぱり人ですね」

[ 2014年12月11日 06:01 ]

衆院選について語る春香クリスティーン

 タレント・春香クリスティーン(22)が、第47回衆院選に関してスポニチアネックスのインタビューに答えた。国会傍聴や国会議員の追っかけが趣味で、「永田町大好き!春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン」(マガジンハウス刊)などの著書も持つ芸能界きっての政治通。同世代の若年層の政治離れを憂いつつも、国民が審判を下すまたとない機会への投票を呼び掛けた。

 もともと選挙期間以外も国会や街頭演説に足繁く通っている“政治オタク”。今月2日の公示後はスケジュールの合間を縫って街頭演説や選挙事務所を訪れ、配られたビラをファイリングしている。東京近郊のみならず、愛知や京都にまで足を延ばしているというのだから筋金入りだ。

 「仕事以外の時間はだいたい回っていますね。朝から晩まで。自分の選挙区以外は関係ないっていうのは正直あるかもしれないけれど、ふだん永田町で見ている方々が地元に戻った時にどう動くのかを見る面白さがあるんです。街頭演説もそれぞれに違いや特徴がありますからね。そもそも皆さん、街中を歩いている人たちを立ち止まらせてまで聞かせるわけですから、基本的にスピーチはうまいんです。あとはやっぱり、党の幹部らが応援に来た時は盛り上がりますね。候補者を見るのはもちろんですけれど、地元ではどういう人が集まってどれくらい真剣に聞いているかということにも興味があります」

 16歳の時にスイスから来日。高校の友人らとの会話で政治が話題に上らないことに違和感を覚えたのが、日本の政治に興味を持つきっかけだった。

 「スイスは国民投票があって、国民が直接イエス、ノーを決めるので、話題になるし自分が投票しなくても関心はありました。中学や高校でも政治に特化しているわけではないですけれど、政治や社会などの話を休み時間に結構していたんです。それが日本の高校では全くなかったのが一番ビックリでしたね」

 それだけに自身と同じ若年層の政治意識の低さには意外だったようだ。事実、2年前の衆院選の投票率は59.32%だったが、20代に限れば37・89%にまで落ち込む。

 「悲しいというかもったいないというか、残念だなって思います。もちろん30~40代になってからの方が社会問題などには関心を持つのでしょうけれど、後から文句を言うくらいなら今のうちにって思いますよね。若い世代に限ったことではないですけれど、ネット選挙(インターネットによる選挙運動)もネット世代に向けて各候補者がPRしているわけですよね。動画を作ったり、街頭演説の日程や活動を日々更新したりと相当な労力がかかっているのに、誰も見ていなかったらどれだけ悲しいか。街頭演説も私は聞きたくて一生懸命リサーチして回っているわけです。ふだんは国会で議論をしている方々が地元に戻って頭を下げてビラを配り、朝早くから夜遅くまで身を削って頑張っているのに、聞く耳を持たないってなるとむなしくなります。せっかく目の前に学ぶチャンスがきているんですから」

 街頭演説を聞く際は、政党などは関係なく人や言葉を注視する。

 「党ごとに同じ道に向かって進んでいますけれど、その中でオリジナリティーを持っている人が面白いと思います。この地域のこういうところをこうしたいということを提示してくれる人ほど考えているなって感じます。意思が具体的でビジョンがはっきりしている人は魅力がありますね。逆に、メーンテーマだけを連呼しているだけの人は中身がないと感じてしまうし、政局系の話ばかりになっちゃうとあまり面白くないと思っちゃう」

 その中で“政治とカネ”問題で経済産業相を辞任した小渕優子氏をはじめ、スネに傷を持つ候補者については客観的に見ている。

 「法律的にアウトの方はダメですけれど、それ以外のラインだったら地元の選挙区の人が判断するのみかな。きちんと説明してもらって、まだ頑張ってほしいというのか、もういい、違う人にするというのかは選挙区の人たちの良心ですよね」

 では、クリスティーン自身の争点はどこにあるのか。

 「小選挙区はやっぱり人ですね。475人という国政の中で動く1人になるわけですから。各党のマニフェストや公約はいろいろありますけれど、その中で一人一人自分の意見があるわけです。公約と丸っきり一致した意見ではなくても、その人の思いや熱、自分たちのために働いてくれる人かどうかが大事ですね。名前を書くわけですから、マニフェストを読んだだけではもったいない。比例区に関してはマニフェストを比較して入れますけれど。マニフェストも各党のホームページなどでダウンロードできるんですよ」

 投票日が迫ってきた。同世代を中心とした若年層はどうすれば選挙に関心を、持ち投票に行くのか。明確な打開策は見いだせていないが、やはりネットを軸とした展開に期待を寄せる。

 「んーーーっ。これは本当に難しいですよね。ネット選挙でも、最初の1クリックをしないから入っていかない。私なんか、携帯の画面にリンクが増えて、情報があふれすぎているのでいくら見ても追いつかないのに。多分、ホームページの存在すら知らない人がいっぱいいる。でも関心を持つのは必要で、そういう意味では友達の輪の中で誰かが(候補者の)ツイッターのリツイートをしてみたり、フェイスブックで書いたりすればひとつの可能性にはなるのかな。知り合いの中で、“政治に興味がなさそう人なのに”っていうところから拡散していけばきっかけになるのではと思います」

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2014年12月11日のニュース