文太さん 長男に先立たれる悲劇も…愛息に捧ぐ9年ぶり主演

[ 2014年12月1日 14:20 ]

亡くなった菅原文太さん

 俳優の菅原文太さんが11月28日午前3時、東京都内の病院で転移性肝がんによる肝不全のため亡くなったことが1日、分かった。81歳だった。

 私生活では2001年10月23日、長男で俳優の菅原加織(本名薫=かおる)さん(享年31)が東京・世田谷の小田急線踏切で電車にはねられ、亡くなる悲劇に見舞われた。翌年のNHK大河ドラマ「利家とまつ」で共演予定の矢先だった。

 文太さんは仕事先の仙台で悲報を受け、遺体を安置した病院に急行。悲しみの対面をした。24日午後8時すぎ、遺体は文太さんが住む岐阜県大野郡清見村の実家に無言の帰宅をした。

 文太さんは加織さんをことのほかかわいがっていた。高校生の加織さんがデビューした時などは「オレのデビュー時よりずっといい」と相好を崩しっ放しだった。目を細めたその顔は“雷オヤジ”ではなく、普通の父親の顔だった。

 26日に葬儀・告別式が営まれ、文太さんは憔悴(しょうすい)し切った様子。報道陣に口を開くことはなく、弔問した親友の長門裕之さんが胸中を代弁。文太さんは子供が親よりも先に逝くという、この世の不条理に愚痴をこぼし「オレ、もう仕事したくない…」と口にしたという。

 03年4月公開の映画「わたしのグランパ」(監督東陽一)で活動再開。9年ぶりの映画主演を果たした。

 天国の愛息に捧げる思いを込め、約1年ぶりの仕事復帰。「たった1年で悲しみが消えるわけじゃない。いつまで考えていても加織が戻るわけではない。メソメソしててもしようがない」と前を向いた文太さんだった。

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