酒井法子容疑者 逮捕後の5つの謎

[ 2009年8月10日 16:21 ]

 送検された酒井法子容疑者(38)は、覚せい剤の使用を認めるなど、徐々に人気タレントの“別の顔”を話し始めている。しかし、酒井容疑者がなぜ逃走ともとれる行動をしたのかなど、不明な部分は依然として多い。覚せい剤の入手ルートなども解明されておらず、今後“事件”がどのような展開をみせるのか、気になる5つのポイントをまとめた。

 ◆6日間の空白
 酒井容疑者は取調べで、都内や山梨方面を転々と泊まり歩いていたと供述しているが、顔が知られている有名女優であることを考えれば、居場所を変えることが容易でないことは十分推察できる。
 鉄道など公共の交通機関をつかえば、すぐに目撃情報が駆け巡っただろうし、タクシーも警察が手配したことを考えれば難しい。大型ホテルにひそむ日々にも限界がある。
 最も目立たず身を隠す方法は、知人の私邸などで過ごすことだ。その際、単独での行動は考えづらく“同伴者”がいるという推測ができる。酒井容疑者が信頼を寄せる人物とみられ、今回の逮捕劇の中でも重要なキーパーソンとなりうる。“逃走”から出頭まで、酒井容疑者の行動に大きな影響を与えた人物の特定が“6日間の空白”を埋める鍵となる。
 ジャーナリストの大谷昭宏氏は「薬物が検出されなくなるまで時間を稼ぐための逃亡ではないか」と指摘している。

 ◆職務質問と電撃逮捕
 薬物事件の取り調べは入手ルートの解明が欠かせない。高相、酒井両容疑者が、いつ、誰から覚せい剤を入手したのかは、今回の最大のポイントになる。
 一連の逮捕は、高相容疑者が東京・渋谷で職務質問をされて覚せい剤の所持が発覚したことで始まった。職質をかける段階ですでに所持の「確信」があった“ピンポイント”の逮捕ともとれる。
 警察はすでに内偵で酒井夫婦が怪しいとにらんでいた可能性は十分にある。酒井容疑者が高相容疑者に呼ばれて、現場に出向いた時に薬物常習者特有の異常な言動もあったことで「嫌疑」が「確信」に変わったとみられる。

 ◆のりピーはいつ変わったのか?
 14歳でのデビューから清純派アイドル歌手、そして女優、ママドルへと華麗な転身で浮き沈みの激しい芸能界を生き抜いてきた酒井容疑者。大手企業CMや裁判員制度のDVDにまで出演し、人気とともにその善良なイメージとはあまりにも違う“別の顔”にファンならずともいまだに逮捕は信じられない。
 「高相容疑者と結婚してから変わった」「夫婦関係がうまくいかなくなったここ5年くらいでひょう変した」など、関係者はさまざまな変化を感じていた。
 最近では夫婦でサイケデリックな音楽を流す都心のクラブやレイブパーティーにたびたび姿を見せ、幼い長男を連れて訪れることも。「理想的な家庭人というイメージとちょっと違うなと思った。ほかの人のコンサートに登場し、ハイテンションで歌っていたこともあった」という知人の証言もある。結婚生活が及ぼした酒井容疑者への影響をたどっていくことが、酒井容疑者の信じられない変化を知る上で重要な位置を占めていることは間違いなさそうだ。
 両親の離婚で幼少期から親戚の間を転々とした“つらい思い出”に、憧れていた温かい家庭が怠惰な夫によってうまく行かず、が、転落の原点にあるとする関係者もいる。

 ◆なぜ「組織犯罪対策5課」?
 酒井容疑者らを逮捕したのは、警視庁の「組織犯罪対策5課」。以前麻薬事件は、麻薬課があり捜査していたが、警視庁の組織変更で「組織犯罪対策課」が担当することになった。主に暴力団・国際犯罪・麻薬・拳銃事件などを捜査する部署で、ちなみに水谷豊の人気映画「相棒」も、ここの部門の設定になっている。大相撲の大麻事件もここで扱った。
 麻薬・覚せい剤・マリファナ類のルートは暴力団にかかわることが多く、密接な関係がある。唐突に見える高相容疑者の職務質問、逮捕も、一過性のものではなく、他の事犯が密接に絡んでいる可能性もある。

 ◆事件は拡大していくか?
 酒井容疑者逮捕で芸能界に余波は広がる可能性はある。取り調べでは厳しく入手ルートが追及される。その際に「何も言わなくていいから、一人だけ他に使った人の名前を言いなさい」という手法がある。容疑者の口を割らせ、イモヅル式に摘発されていくというものだ。
 高相、酒井容疑者はサーフィンに熱中し、芸能界に人脈も広い。「サーフィン」「芸能人」→「覚せい剤」のキーワードで警察が描く“事件チャート(人脈図)”には、アッと驚くような名前が列挙されているのかもしれない。

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2009年8月10日のニュース