エンゼルス・大谷、今季終了も…右脇腹痛め108試合ぶり欠場 2カ月ぶりフリー打撃中にアクシデント

[ 2023年9月6日 02:30 ]

<エンゼルス・オリオールズ>4日(日本時間5日)の試合前打撃練習中、足を滑らせ引き揚げる大谷
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 エンゼルス・大谷翔平投手(29)は4日(日本時間5日)、試合前の打撃練習で右脇腹を痛めてオリオールズ戦を欠場した。5月2日のカージナルス戦以来、108試合ぶり3度目。5日(同6日)に精密検査を受けるが、結果次第で打者としても今季終了となる可能性が出てきた。練習と同時刻には代理人のネズ・バレロ氏(60)が取材に応じ、右肘に何らかの治療処置は必要だが楽観的に捉えていること、投打二刀流での復帰を目指していくことを明かした。

 本塁打からは今季自己ワーストの10試合、48打席遠ざかっていた。右肘じん帯損傷が判明した8月23日以来となるエンゼルスタジアムで、大谷は約2カ月ぶりに屋外でのフリー打撃に臨み、快晴の青空へ大飛球を飛ばしていた。5本の柵越えを放った後、17スイング目だった。踏み込んだ右足が滑りハーフスイングの形に。この瞬間、苦痛で一瞬顔をゆがめた。右脇腹を痛めて「2番・DH」での先発出場は試合開始1時間前に取り消された。

 右肘の負傷で既に今季の登板はなくなっていたが、新たなアクシデントに見舞われた。球団は「右脇腹の張り」と発表し、5日(日本時間6日)午前に精密検査を行う。フィル・ネビン監督は球場内で予備検査を行ったことを認め「明日の朝、いくつか検査をしてはっきりさせる。今は臆測の域を出ない。今日はかなり痛そうだった」と心配そうに話した。これまで脇腹に大きな故障を負ったことはなく、負傷程度によっては回復に時間がかかる部位。検査結果次第では打者としても今季終了の可能性がある。

 アクシデントと同時刻、代理人を務めるバレロ氏は右肘負傷後初めてメディア対応していた。18年に手術した箇所とは異なり「じん帯の最下部に問題がある。骨のすぐ隣のところ。前回はずっと上の方、一番奥の方だった」と説明。「18年にじん帯を移植したが、そこは無傷で何の問題もなかった。本当にポジティブなことだ」と強調した。2度目のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切るかどうかは明言を避け、「何らかの治療処置は必要だが、いつ、どのようなものになるか情報を集めている。多くの選択肢がある」と手術も含めた治療方法を模索し、検討している段階とした。

 故障後はコメントしていない大谷の胸中も代弁した。「彼は投げることが大好きで、長い間二刀流でプレーすることを望んでいる。戻ってくることに疑問はないし、ここ数年のように両方続けていくつもりだ」。再度の手術の可能性が指摘され、投打二刀流に懐疑的な声も一部で上がったが、大谷自身はあくまで二刀流を貫き、そのためのすべを探っているという。手術となれば、投手としては25年シーズンからの復帰が現実的となる。エ軍での6年間はこれで終わりを迎えるかもしれないが、野球人・大谷が歩む二刀流の道にブレはないと強調した。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪キング断トツも打点王は…≫打者としても今季終了した場合、注目されるタイトル争いや記録はどうなるか。

 44本塁打はリーグ断トツ。9本差つけた2位のホワイトソックス・ロベルトは右太腿がつった影響でこの日まで3試合連続欠場となった。各チーム残り24、25試合程度で、日本選手初の本塁打王獲得の可能性は高い。

 現在95打点でリーグ3位の打点王は絶望となる。21年の自己最多46本塁打の更新や、あと4本に迫る松井秀喜(ヤンキースなど)の日本選手最多通算175本塁打更新は、来季以降へ持ち越すこととなる。

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