大商大8強進出!!ドラフト候補・高が左肘の不安乗り越え快投 巨人・桑田ファーム総監督「非常に楽しみ」

[ 2023年6月8日 06:15 ]

全日本大学野球選手権2回戦   大商大7―1花園大 ( 2023年6月7日    東京ドーム )

<花園大・大商大>大商大先発の高(撮影・島崎忠彦)
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 第72回全日本大学野球選手権第3日は7日、2回戦6試合が神宮と東京ドームで行われ、8強が出そろった。大商大は最速151キロ左腕の今秋ドラフト候補、先発・高太一(4年)が6回1/3を投げて1失点と好投し、花園大を7―1で下して2年連続の準々決勝進出。近大は鹿屋体大に1―5で敗れ、天理大は中部学院大に零敗を喫し、ともに8強入りを逃した。  

 冷静沈着な大商大・高が目つきを鋭くし、興奮していた。「投げられていなくて、正直イライラしていた。その気持ちを全部ぶつけてやろうと思っていました」。左肘が炎症を起こした影響で4月下旬以来の登板だった。予定は5イニング。続投を志願し6回1/3を1失点。ため込んでいた鬱憤(うっぷん)を東京ドームで吐き出した。

 「想像以上に球速が出た。思っていたよりも直球で押せた」
 復帰戦でも不変の安定感に、高の魅力が詰まっている。この日最速147キロを計測した直球の球威は申し分なく、与四球1つと制球力も健在だった。4―0の7回に許した左犠飛が唯一の失点。「まだまだ状態は上がります」と不敵に笑った。

 最速151キロ左腕で、今秋ドラフト候補として注目を集める。しかし今春リーグ戦は故障に見舞われて登板4試合のみ。ノースロー期間は1カ月間と長引いた。「もう必要とされていないのかな…とまで思った」。それでも肩肘に負担の少ない投球フォームに改良するなど、懸命に前を向いた。初戦で1失点完投した主将の上田大河からは「俺を神宮で投げさせてくれよ」と伝えられ、「投げさせるから」と答えた。約束通りの好投で次戦以降の舞台となる神宮球場へ駒を進めた。

 ネット裏で視察した巨人・桑田ファーム総監督からは「フォームがきれいで、まとまりのある投手。非常に楽しみ」と評価された。「出番があれば、次も必ずゼロで抑える」。今春に本領を見せられずにいた注目左腕が、全国の舞台でリミッターを外した。(河合 洋介)

 ◇高 太一(たか・たいち)2001年(平13)7月26日生まれ、愛媛県新居浜市出身の21歳。船木小2年から船木パイレーツで野球を始め、船木中では今治中央ボーイズに所属。広陵では3年春に背番号17でベンチ入りし選抜出場。大商大では1年秋からリーグ戦に登板。50メートル走6秒5、遠投100メートル。1メートル80、80キロ。左投げ左打ち。

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