エンゼルス・大谷 今季最長7回無失点2勝目でメジャー通算30勝 圧巻の防御率0・47

[ 2023年4月13日 02:30 ]

インターリーグ   エンゼルス2ー0ナショナルズ ( 2023年4月11日    アナハイム )

<エンゼルス・ナショナルズ>地元のサーフィン文化をイメージしたユニホーム「シティー・コネクト・ジャージー」を今季初着用し2勝目を挙げた大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)は11日(日本時間12日)、ナショナルズ戦に「3番・投手兼DH」で出場し、今季最長7回を投げ1安打無失点で2勝目を挙げた。メジャー通算30勝に到達。昨季から先発で7試合連続で5回以上を投げて被安打3以下は歴代2位タイ。21年デグロム(当時メッツ)の大リーグ記録に王手をかけた。打者でも左前打で自己最長更新中の連続試合出塁を34に伸ばした。

 「Dominate(支配)」。打者を圧倒する言葉として、大リーグで頻繁に使われるが、今の大谷にピタリとはまる。7回1安打無失点。今季ワーストタイ6四死球と苦しんだにもかかわらず、相手打線を全く寄せ付けなかった。

 「スライダー(スイーパー)ばっかり投げたけど、相手を見ながら投げられたので、そこは良かった」

 全92球中、スライダー、スイーパー(曲がりの大きいスライダー)の合計は今季最多55球(60%)。4回2死一塁から7番アブラムスに初安打の右翼線二塁打を浴び、二、三塁のピンチを招いたが、続くチャビスをスイーパーで遊ゴロ。100マイル(約161キロ)を超える剛球はなく「3者凡退が少ない。攻撃につながるリズムをあまりつくれていない」と課題に目を向けるのが大谷らしかったが、その後は一度も三塁を踏ませなかった。

 昨季から先発7試合連続で5回以上を投げて被安打3以下となり、投本間が現在の18・44メートルとなった1893年以降では、04年のヨハン・サンタナ(ツインズ)に並ぶ歴代2位の安定感。サイ・ヤング賞2度の剛腕デグロムが21年に記録した8試合連続の大リーグ記録にあと1と迫った。また、先発で10試合連続で2失点以下は、72~73年にマークしたノーラン・ライアンを抜き球団新。12イニング連続無失点で防御率0・47と圧巻の数字とした。

 前回5日のマリナーズ戦で違反を取られたピッチクロック対策として、左足を一足分下げてから投球動作を始める新フォームを試していたが、この日は一度も同フォームで投げなかった。「ダメ(旧フォームで違反)だった時はそれに切り替えればいい」。状況を見極め、今後も新旧両方で準備を整えていく。

 打者としては、4回無死一、二塁の2打席目に左前打を放ち、レンドンの先制犠飛につなげ、自らを援護した。地元のサーフィン文化をイメージしたユニホーム「シティー・コネクト・ジャージー」を今季初着用。今季本拠地初登板だった「投手・大谷」の新登場曲にWar*Hallの「Dead Man Walking」を使用するなど、気分一新も功を奏した。投打で好スタートした米6年目。ポストシーズン進出を掲げ、個人の目標には「健康で終えれば何でもいい」。数字には関心を示さない姿は実に大谷らしい。(柳原 直之)

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2023年4月13日のニュース