日本ハム・清宮 Vへ“俺が主役”「絶対にここから巻き返してやる」

[ 2023年1月1日 06:00 ]

しゃけまると獅子舞を手に雄叫びをあげる清宮(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハム・清宮幸太郎内野手(23)がスポニチ本紙の新春単独インタビューに応じた。入団5年目の昨季は129試合に出場し、打率・219ながらリーグ5位の18本塁打。エスコンフィールド北海道に本拠を移す今季の爆発を予感させた。新球場元年の優勝に向け、若き大砲がチームをけん引する大活躍を誓った。(聞き手・東尾 洋樹)

 ――いよいよ新球場の歴史が始まる。自分が歴史をつくっていく気持ちは。

 「もちろんです。(新球場を視察して)めちゃくちゃワクワクしたし、初年度優勝なんて最高のストーリーじゃないですか。それをするためには、改めて僕が打たなければいけないなと思った」

 ――チームを背負っていく存在になりたいと言っていたが、そういう自覚が芽生えてきたか。

 「万中(万波)、ジェイ(野村)、僕が中心になって引っ張っていかなければいけない。一人じゃ勝てないですけど、一人で勝たせるくらいの気持ちでやりたい」

 ――新球場を視察してみた感想は。

 「ハンパじゃねぇなって思った。雰囲気だったり、選手にも優しいし、ファンも楽しめる、全てがそろった球場。唯一無二。本当にメジャーを超えているなと思った。早く満員になったところでプレーしたい」

 ――新球場の建設過程も見てきた。

 「砂ぼこりが舞っているような時から見てきて、今はほぼ出来上がっている。時がたつのは早いと思った」

 ――新球場は右中間と左中間の膨らみがなく、フェンスも低い。昨季に新球場でプレーしていたら30本塁打以上だったという試算もある。

 「(外野の)膨らみがないのは、いいなと思いました。そんな都合良く打てるか分からないけど、30本以上打てるようにやりたい」

 ――プロで5年間やってみての現在地は。

 「入ってきた時に思い描いていたような立ち位置ではないけど、(22年は)今年活躍するためにステップアップするための一年だったかなと思う」

 ――好きな言葉に「道」がある。ここまでどのように来て、ここからどのように進んでいきたいか。

 「(パナソニック創業者の)松下幸之助さんの言葉で、山もあれば谷もある。広い道もあれば狭い道もある。今、どこの道を僕が歩いているかは分からない。プロに入ってからは間違いなく下り坂が多かった。けど、下りがあれば上りもある。絶対にここから巻き返してやるという、信念だけは持っている。鎌ケ谷の(勇翔寮の)部屋に僕が高校3年の時に選択書道で書いたもの(※写真)を飾っている。凄くいい言葉で気に入っている。自分には自分に与えられた道があると思う」

 ――同学年のヤクルト・村上と比較されることも多い。

 「同学年、同じ左打者、同じタイプで比べられるのは当然。むしろそうやって比べられるのはうれしいこと。でも、このまま負け続けるわけにはいかない。絶対に見返したいと思っている」

 ――オフのテーマは。

 「自分のパワー、スピードのポテンシャルをもっと広げられたら。昨シーズン中からやっていたものを継続してやり続けたい」

 ――昨年から取り入れた初動負荷トレーニングの効果は。

 「めっちゃ実感している。肩周り、股関節周りの動きが一番変わった」

 ――昨季は新庄監督や稲葉篤紀GMが付きっきりで指導していた。

 「本当にありがたい。一番多く試合に出させていただいて、一番多く打席に立たせていただいた。期待は感じます。ステップアップできるようにしたい」

 【取材後記】私は清宮の早実3年時から取材を開始した。17年ドラフトで7球団競合の末に日本ハム入りが決まると、社内の「清宮人事」でそのまま北海道支局へ異動。今月に担当を外れるまで計6年間、間近で接してきた。担当を外れることを伝えると、後日「お世話になりました」とメッセージ入りのサインボールを贈ってくれた。今回の取材時に松下幸之助氏の話題が出たので、当時たまたま読んでいた発行500万部超の名著「道をひらく」(PHP研究所)を手渡した。人間的な成長にもつなげてほしいとの思いも込めて。清宮の「思い描いていた通りの活躍はできなかった」の言葉通り、この5年間は決して近道ではなかったかもしれない。それでもこの先に活躍するために必要な道のりだったと信じている。

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