ロッテ吉井新監督からお願いされていたこと―「わしが変なことを言ったら注意して!」

[ 2022年10月7日 18:15 ]

吉井理人氏
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 ロッテの新監督として発表された吉井理人投手コーディネーターとは、07年オフに初めて会った。その日は、都内の小学校で野球教室を行っていた。

 この年限りでロッテを戦力外となり、翌08年から日本ハムの投手コーチに就任することが決まっていた。偶然にも、記者も年明けから札幌転勤し、日本ハムを取材予定だった。そんなあいさつをすると、「わしが変なことを言ったら“ダメですよ”と注意して!」と喜んでくれた。

 温和で、関西人らしくコメントもユーモアたっぷりだが、うそが嫌い。自分のポリシーを曲げられない性格だ。日本ハムで梨田監督、栗山監督、ソフトバンクで工藤監督、ロッテでも井口監督と起用法でよく意見がぶつかったと聞く。

 目の前の勝利だけにこだわらず、投手のコンディションや、長いシーズンを見据えるのが、吉井コーチの特徴だった。その試合の最善策をとることが指揮官の任務だから、仕方ないともいえた。それでも、2年連続リーグ2位だった井口監督以外は、すべての指揮官を胴上げに導いた。

 昨年、栗山監督が日本ハムを退任する際、吉井新監督から興味深い話を聞いた。「この前、栗山さんと話して“ヨシには何度も怒られ、ケンカもしたけど勉強になった”と言われた。ちょっと、うれしかった。中間管理職だけど、選手に向いて仕事しないと、僕はいけないと思っている」。侍ジャパンの栗山監督から投手コーチとして招集されたのも自然な流れと感じた。

 あくまでも個人的な意見だが、癖は強くても、日本で一番優秀な投手コーチだと、自分はずっと思っていた。(横市 勇)

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2022年10月7日のニュース