DeNA・牧 2年目4番が引っ張る!「4番の大変さを感じた」今季、初CS「楽しみ」

[ 2022年10月7日 06:30 ]

長野県産のリンゴを手に笑顔の牧(撮影・島崎 忠彦)
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 DeNAの若き4番・牧秀悟内野手(24)が、2年目のシーズンを終え本紙の単独インタビューに応じた。三浦大輔監督(48)から「4番」に指名されたプロ2年目。ジンクスもどこ吹く風で、昨年の最下位から2位への飛躍をけん引した。8日、本拠・横浜で始まるクライマックスシリーズ(CS)ファーストSでは阪神と激突。主砲として24年ぶりの日本一を目指す。(聞き手・大木 穂高)

 ――今季は出場135試合に全て「4番・二塁」で先発。打率・291、24本塁打87打点。本塁打と打点は昨季を上回った。

 「いい日、悪い日、両方の日があった。そういう一年だった。1年間、4番をずっと務めて、後半の大事な場面での一本がなかなか出ず、凄く4番の大変さを感じた」

 ――打率3割への意識は。

 「やっぱり3割打てたら気分的にはいい。でも、なかなか去年のようにはいかなかった。(今年は)3割に乗せるのは難しかった」

 ――相手の配球は昨年と変わったか。

 「インコースの使い方、ボールも含め内角が多かった。甘いところに来る球は、なかなか去年とは違う気がした」

 ――内角高めのストライクゾーンが打率・714と高い。

 「これといって意識はしていないけど、今年は右方向にホームランが多くて、結構、高めを打っているイメージがある。強引にならずにいけたのかなと思う」

 ――高めを打つ時の意識は。

 「高めは特に強い球が来るので、より強く打つイメージはある。バットはグリップの位置からそのまま平行に押し出す感じ。ダウンスイングの意識はないですね」

 ――子供の頃から高めは得意か。

 「来た球を強く打つというのはあったけど、小学生の頃は低めの球が好きでしたね。でも小さい頃からの打つ感覚は残っていて、打つことに関してはずっと、いい感覚が続いています」

 ――カットボールに対して昨年の打率・167から今季は・340に上昇した。

 「去年よりも(全体的に)よりポイントが近くなっている気はするので、もしかしたらそれで半速球にはうまく対応できたのかもしれない」

 ――ポイントを後ろにした理由は。

 「今年の自主トレからずっと取り組んできた。長く球を見るようにしている」

 ――今年一番、心に残った一打は。

 「バンテリンドーム(での3月29日の中日戦)で小笠原投手からライトに打ったホームラン。直球を右方向にうまく打てた。強く打つことが今年のテーマで、打った瞬間に“右方向でも入るな”と思うくらいで打てました」 

 ――打席前、バットのグリップエンドを、上げた左膝にポンと当ててからスイングするルーティンの狙いは。

 「大学の時からやっていて、割りとかタメとか、間の取り方を意識している。自分の感覚というか、大学の時からやっているので、やらないとソワソワしますね。自分でしっくりくる形で、左足を上げることで右足の重心が意識できる。右足に乗る感覚を大事にしています」

 ――8日からCSがスタート。初めて出場するポストシーズンは。

 「経験したことがないからこそ楽しみ。シーズン1位のチームが日本シリーズに進出できるわけではない。2位でも可能性がある。プレッシャーはあるけど何とか勝ちたい」

 ◇牧 秀悟(まき・しゅうご)1998年(平10)4月21日生まれ、長野県出身の24歳。小1から野球を始め、松本第一では甲子園出場はなし。中大では東都大学リーグ通算5本塁打で、3年春に首位打者、同秋にMVPを獲得。3年時の日米野球で大学日本代表の4番に座り、20年ドラフト2位でDeNA入団。昨季は新人初のサイクル安打達成など、新人特別賞を受賞。1メートル78、93キロ。右投げ右打ち。

 【取材後記】今年3月、牧の地元長野県に「後援会」が発足した。会員は現在600人超。地元の後押しに「うれしいですよね。なかなかそういう機会がある地域ではない。自分がやることで活性化できれば。元気を出してくれれば」と声を弾ませた。

 今年企画されていた後援会の「ハマスタ大応援ツアー」は、コロナ禍で来季に延期されたが「来ていただければありがたいです」とその日を心待ちにする。地元愛を包み隠さず口にする牧。長野名産のリンゴについても「自分のじいちゃんがリンゴをつくっていたので、やはり思い入れはありますよ」という。

 そして、同県産のリンゴを手にポーズ。抵抗なくリクエストに応えるその姿勢も、周囲から愛される理由の一つだと思った。 (DeNA担当・大木 穂高)

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