広澤克実氏 阪神のポストシーズン守護神は湯浅が最適 来季も見据え経験させることは有意義

[ 2022年10月7日 05:15 ]

広澤克実氏
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 【広澤克実 視点】阪神は今季の横浜スタジアムでは8連敗を含む2勝11敗と大きく負け越した。打線は打率・229で平均3得点。DeNAに勝つためには打線の奮起を促すことよりも、投手陣がいかにして最少失点で踏ん張るかということに尽きるだろう。

 12球団No・1の防御率が示すように、言うまでもなく阪神は投手陣が最大の武器。青柳、伊藤将、西勇、西純、才木らの先発陣は、日本シリーズまで逆算しても非常にいいローテーションが組める。

 そこでポイントになるのが9回を誰に任せるかだが、私は湯浅が最適だとみる。7月2日の中日戦から28試合連続無失点のままシーズンを終了。今季59試合に登板したうち、失点したのはわずか3試合しかない。球速、球威、制球、ウイニングショットの精度…。総合的に判断しても、ストッパーは湯浅を置いて他にはいないだろう。

 来季、新体制になる阪神は、湯浅をストッパーに抜てきするのではないか。矢野監督は今季で終了となるが、チームは来年、再来年と続いていく。その意味においても、今回のポストシーズンで抑えを経験させることは有意義だし、仮に失敗しても、必ず、来季に生かされるだろう。

 9回につなぐ7、8回ももちろん重要だが、幸いリリーフ陣も充実している。岩崎、岩貞、浜地。相手打者との兼ね合いもみながら、この2イニングを十分に任せられる顔触れがそろう。

 ヤクルトとの今季最終戦を見ても、やはりケラーの守護神は厳しいだろう。最終回にバトンを託す側も、湯浅につなぐ方がモチベーションも上がるのではないか。言い換えれば、同じ負けるにしても、湯浅で負けるなら誰もが納得がいく。それほど、今季の投球は素晴らしかった。

 打線が序盤に点を取って、先行逃げ切りで勝つのが阪神にとって最高の勝ちパターン。ここからの短期決戦は、湯浅に最終回を締めくくってもらいたい。(スポニチ本紙評論家)

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2022年10月7日のニュース