巨人・中田 1億9000万円減 大不振で「仕方ない」制限超え 「自分らしく」巻き返し誓う

[ 2021年12月8日 05:30 ]

契約更改を終え、会見を行う巨人・中田(球団提供)
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 巨人・中田翔内野手(32)が7日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、野球協約に定められた減額制限(1億円超は40%)を超える1億9000万円減(56%減)の年俸1億5000万円でサインした。日本ハムでの暴力行為、トレード、成績不振など波乱の14年目を終えた大砲が、大減俸からの巻き返しへ決意を示した。

 年俸を「かなり落ちました」と語り、中田の会見は始まった。今季の年俸3億4000万円から減額制限を超えた。「結果を残せていないので、仕方ないこと」と受け止めた。

 球団首脳には「一から頑張ってくれ」とハッパをかけられた。「心配、迷惑を掛けてしまったことに関して自分の中で受け止めて、結果を残して恩返ししていきたい」。今季は打率・177、7本塁打、20打点と不振を極めた。速球に差し込まれ、変化球に泳がされ、20年打点王の姿はなかった。暴力行為による世間からの非難も、痛いほど降り注いだ。

 新天地で結果を求めすぎ、萎縮する自分がいた。「萎縮して、自分の素を出せないまま終わってしまった。失敗を恐れている自分がいた。自信もなかった。来年は全てを解放してまた一から頑張りたい」。ノルマを100打点に設定。目標の本塁打数は20年の31本塁打超えのキャリアハイとした。腰痛のため筋力とともに103キロに落ちた体重を、今オフは110キロに戻す。

 年明けの自主トレは沖縄・石垣島で日本ハム・姫野、ソフトバンク・黒瀬と行う。さらに来季2年目を迎える秋広も同行。中田は「何で俺?他にもっとおるやろ」と驚いたが「一緒にやりたいんです」と懇願された。同じ一塁手の19歳は中田が移籍後2度の2軍落ちを経験した際、その練習の量と姿勢に間近で触れ、感銘を受けた。32歳は「一緒に苦しみながらやる。体をいじめ抜く」と誓った。

 「いい意味で荒々しく。悔しがってもいい、喜びを表現してもいい。自分らしく。もう一度、打点王に返り咲きたい」。15年目の逆襲へ。「大将」と慕われた、頼れる姿を取り戻す。(神田 佑)

 ≪歴代9番目の大幅ダウン≫中田(巨)が1億9000万円ダウンで契約を更改。移籍を伴わない減俸額としては16年杉内(巨)の4億5000万円を筆頭に歴代9番目の大幅ダウンとなり、今オフでは平田(中)の1億5000万円を上回る最高減俸額。

 ▽今季の中田 開幕から調子が上がらず、5月には栗山監督に2軍での再調整を直訴。急性腰痛にも悩まされた。8月4日、DeNAとのエキシビションマッチの試合前に同僚選手に暴力行為。11日に球団が出場停止処分を発表した。20日に巨人への無償トレードを発表し、入団会見で謝罪。21日に出場選手登録され、22日には移籍初安打となる本塁打を放ったが、移籍前も合わせて73試合で7本塁打、20打点、打率.177。シーズン連続2桁本塁打も10年で途絶えた。

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