阪神が新助っ投W獲り!スアレスの後釜に期待、最速157キロのケラー&先発タイプのウィルカーソン

[ 2021年12月2日 05:30 ]

スアレスの後釜として期待がかかるカイル・ケラー
Photo By ゲッティ=共同

 阪神が、新守護神候補として本格調査していたカイル・ケラー投手(28=パイレーツ)を獲得することが1日、分かった。今季限りでの退団が決まったロベルト・スアレス投手(30)の後釜としてリストアップしていた新助っ人との交渉は最終段階に入っており、合意に向け支障はないもようだ。加えて、先発候補のアーロン・ウィルカーソン投手(32=ドジャース傘下3A)との契約が大筋合意したことも明らかになった。来季のV奪回に向け、必要なピースが確実に埋められていく。

 “スアレスロス”などない。有事に備えていた球団の対応は迅速だった。今季限りでの退団が決まったスアレスの後釜として最有力候補だったケラーを獲得することが、この日までに判明。前日11月30日に嶌村聡球団本部長も、ケラーの存在を問われ「そのように考えていただいて結構です」と候補の一人であることを認めていた。

 1メートル93の長身から最速約157キロを投げ込む本格派右腕で、国内の複数球団が獲得調査を進めていた。争奪戦必至の情勢の中、阪神は速攻でアタックを開始。水面下で進めていた交渉は最終段階に入っており、絶対的守護神の喪失から、わずか一日で来季のチームの命運を握る一人になるであろう新守護神候補を射止めた。

 パイレーツに所属した今季は救援で32試合に登板。防御率6・48ながら、33回1/3を投げ36奪三振と投球回を上回る奪三振を誇り、抑えとしての適性を示している。ブレーブス戦では昨季のナ・リーグMVPだったフリーマンやアクーニャら強打者から三振を奪うなど力で圧倒した姿は、まさに抑え役にふさわしい。

 同時に、先発候補右腕のウィルカーソン獲得にも成功した。同本部長は「契約の合意はさせていただきました。来年、うちのユニホームを着てプレーするかたちになります」と明かした。

 1メートル88、104キロの恵まれた体格から投げ込む直球の最速は152キロ。加えてカーブ、スライダー、チェンジアップ、フォークなど変化球も多彩だ。メジャーでは通算14試合に登板し1勝1敗、防御率6・88。今季は3Aで23試合に投げ8勝5敗、同3・86の数字を残した。同本部長も「非常に安定したピッチャーで先発タイプ。いろんな球種を投げコントロールが非常に良く、真っすぐが球速以上に体感(速度)がある。3Aでの空振り率も高い」と評した。

 スアレスの退団ショックを払しょくする一気の新助っ投ダブル獲り――。05年以来、17年ぶりのリーグVへ補強にも抜かりない。勝負の4年目を迎える矢野阪神に大きな希望の光が届いた。

 ◇アーロン・ウィルカーソン 1989年5月24日生まれ、米テキサス州出身の32歳。大学時にドラフト指名されず独立リーグを経て2014年にレッドソックスとマイナー契約。16年にブルワーズへ移籍し17年9月15日にメジャーデビュー。メジャー通算14試合1勝1敗、防御率6・88。今季はドジャース3Aでプレー。1メートル88、104キロ。右投げ右打ち。

 ◇カイル・ケラー 1993年4月28日生まれ、米ルイジアナ州出身の28歳。2015年ドラフト18巡目(全体536番目)でサウスイースタン・ルイジアナ大からマーリンズ入団。19年8月4日のレイズ戦でメジャーデビュー。20年のエンゼルスを経て、今季はパイレーツでプレー。9月11日のナショナルズ戦でメジャー初勝利。全て救援で通算44試合に登板し1勝1敗、防御率5・83。1メートル93、92キロ。右投げ右打ち。

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