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新井貴浩氏 ヤクルト・川端、技術と経験の決勝打 抜けたスライダー引きつけ狙い打ち

[ 2021年11月28日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第6戦   ヤクルト2ー1オリックス ( 2021年11月27日    ほっと神戸 )

<オ・ヤ>延長12回2死二塁、勝ち越し適時打を放つ代打・川端(撮影・岡田 丈靖)
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 【新井貴浩氏 シリーズ大分析1】ヤクルトが延長戦を制し、20年ぶりの日本一を決めた。スポニチ本紙評論家の新井貴浩氏(44)は、1―1で迎えた延長12回2死二塁から代打・川端が初対戦の吉田凌から放った左前への決勝打を技術と経験が打たせた一打と指摘。セ・リーグが12年以来9年ぶりに日本一の座を奪い返した要因に高津監督の投手起用を挙げた。

 川端の経験と技術が詰まった決勝打だった。吉田凌のスライダーは軌道が独特で、曲がれば当然、切れがある。投げ損なって曲がらないときは、チェンジアップのように打者からすればタイミングの外れた球になり、体が前へ出されてしまう。

 5球連続で来たフルカウントからの7球目のスライダー。打ったのは曲がらない、チェンジアップになる抜け球だった。しかも、コースは内角高め。ギリギリまで引きつけて逆方向へ打つのが特長で、詰まって打つくらいの感覚だろう。狙い通り左前へ落とした。

 吉田凌とは初対戦。代打は初球から仕掛けるのがセオリーでも、1、2球目の直球には反応しなかった。吉田凌の投球は約6割がスライダー。最初からスライダーに狙いを定めていたのだろう。事前の映像で見てイメージしていても実際の打席の感覚とは違う。低めに投げられた3、4球目で軌道を確認した。

 5球目が捕逸になって走者が二塁で進み、外野も前へ出た。ヒットゾーンは広がって心理的に楽になったところもあったと思う。加えて得点圏の状況になったことで集中力も高まった。6球目に初めてスイング。内角高めに抜け、曲がらない方のスライダーだった。ファウルしたことで微調整もできた。同じように抜けた7球目を仕留めた。まさに技術と経験が打たせた一打だった。

 2死無走者から出たのは塩見だった。今シリーズは徹底マークされて打率は上がっていなかったが、決して強引にはならず、常に出塁を心掛けていた。富山が2死を奪ってから、吉田凌へ継投したのも、オリックスがそれだけ塩見を警戒してのことだった。悔いのない投手起用をしたかったのだと思う。

 《追い込まれても強い》レギュラーシーズンで代打安打のプロ野球記録にあと1本に迫る30安打を重ねた川端は、打率.372(86打数32安打)のハイアベレージをマークした。この日の決勝打のように2ストライクに追い込まれても39打数13安打、打率.333と打っており、粘り強い打撃を見せつけた。

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