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ヤクルト20年ぶり日本一 高津監督が選手目線の柔軟采配で導く 野村監督の教えを胸に

[ 2021年11月27日 23:05 ]

SMBC日本シリーズ2021第6戦   ヤクルト2─1オリックス ( 2021年11月27日    ほっともっと神戸 )

<日本S オ・ヤ(6)>胴上げされる高津監督(撮影・岡田 丈靖)
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 ヤクルトは27日、日本シリーズ第6戦でオリックスを延長12回の激闘の末、2─1で下し、通算4勝2敗で20年ぶり6度目の日本一を飾った。就任2年目の高津臣吾監督(53)は、「絶対大丈夫」を合言葉に、選手目線に立って特長を引き出し、短期決戦ならではの調子を見極めた起用で、前年まで2年連続最下位のチームを頂点に導いた。

 この試合の先発には高梨を立てた。第1戦先発の奥川でも、第2戦先発で完封勝利を挙げた高橋でもない。シーズン同様、選手のベストパフォーマンスをどう引き出すか。そして4勝をどうもぎとるか。その導き出した答えに対し、先発の高梨が粘ると、5回2死から登板したスアレスを2回1/3、引っ張った。投手陣が粘って延長戦へ。12回2死二塁、高津監督が送った代打の切り札、川端が決勝の左前打をもぎとった。

 現役時代に守護神で4度出場した日本シリーズはいずれも胴上げ投手。通算11試合で2勝0敗8セーブ、防御率0・00を誇る。投手コーチでも15年に出場し「全てのシリーズ、全ての試合を克明に覚えている」と言う。指揮官として初めて臨む頂上決戦。その知識と経験を掘り起こした。

 自身初出場だった93年は2年連続で西武と激突。3勝3敗で迎えた11月1日の第7戦。前年は3勝4敗で日本一を逃した雪辱を果たすため、立川市内の宿舎で行われた恒例のミーティングは数時間に渡った。相手の強力打線を形成する清原、秋山らをどう抑えるか。徹底的に対策を練った最後、野村監督が言った言葉は今でも耳に焼き付いている。「結局、勝負は時の運や。人事を尽くして天命を待とう」。指揮官の言葉に肩の力がふっと抜け「気分が楽になった」と振り返る。同じ立場となった今、恩師と同様に人事を尽くした。

 初戦の試合前。「このチームの特長はつながり。全員がひとつの輪になって、全力で4つ勝てるように努力していこう。みんなで肩を組もう」と鼓舞。ブルペンに集めたコーチ、スタッフも含めて全員で輪を作って心を一つにした。

 第1戦で逆転サヨナラ負けを喫した抑えのマクガフに第2戦の練習前に話しかけ「僕は全く気にしていない。任せている」と励ました。マクガフが第3戦に続いて1点リードを守り切ると、ガッツポーズを繰り返した。言葉で選手をまとめ、選手とともに喜びを表現した。試合の中で選手のその日の調子を見極め、第2戦の高橋奎二の完封、第3戦の石山の回またぎ救援など、全試合接戦となった中で、選手のパフォーマンスを最大限引き出した。

 9月7日の阪神戦前に発した「絶対大丈夫」を合言葉にチームは快進撃。2年連続最下位だったチームをリーグ優勝、そして20年ぶりの日本一に導いた高津監督。マウンドで歓喜の瞬間を迎えてきた現役時代とは、また違った格別な瞬間となった。

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