大阪桐蔭 松坂以来の4大大会制覇へまず1冠 西谷監督は底上げ目指し「明日から41人で競争です」

[ 2021年11月26日 05:30 ]

明治神宮野球大会 高校の部決勝戦   大阪桐蔭11-7広陵 ( 2021年11月25日    神宮 )

<明治神宮大会高校の部決勝 広陵・大阪桐蔭>優勝を決め、喜ぶ大阪桐蔭ナイン(撮影・河野 光希)
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 高校、大学の部で決勝が行われ、高校の部では大阪桐蔭が粘る広陵を振り切って初優勝を飾った。来秋ドラフト上位候補の3番・松尾汐恩捕手が、2本塁打を含む4安打4打点と打線をけん引。春夏の甲子園大会、国体と合わせて全国4大大会を制覇した。

 最強軍団に、また新たな勲章が加わった。大阪桐蔭が広陵を強打で圧倒し、初優勝。春夏の甲子園大会、国体を含めた全国4大大会で唯一、頂点に立てていなかった神宮大会を制し、史上8校目、大阪では初の“完全制覇校”となった。立役者は昨年から主力の松尾だ。2本塁打を含む5打数4安打4打点と暴れ回った。

 「自分が引っ張っていくことを意識していました。素直に、本当にうれしいです」

 有言実行の働きだった。4―0の4回1死一、二塁で左越え3ランを放つと、3点差に迫られた直後の7回2死無走者では高校通算17号ソロ。三塁打が出ればサイクル安打だったが、それを上回る結果を残し、打線をけん引した。

 オリックス5位・池田陵真、日本ハム7位・松浦慶斗ら投打にスターぞろいだった旧チームでメンバー入りしていたのは松尾のみ。経験が浅い現チームを西谷浩一監督は「今年は長打が打てるチームではない。力はない」と評す。だから星子天真主将を中心に掲げるテーマは「束になって泥くさく」。特に打撃面では全員がセンター返しを徹底。3回1死一塁、中前への一打を放った松尾は相手守備の隙を突いてガラ空きの二塁を陥れ、ここから一気の4連打で4点を先行した。一丸になれる「チーム力」が、現世代の強みだ。

 神宮大会から翌年の春夏の甲子園大会、国体を制覇したのは今季限りで西武で現役引退した松坂大輔を擁した97~98年横浜のみ。大阪桐蔭は大偉業への第一歩を記した。「今日でメンバーは解散しますので明日から(全部員)41人で競争です」と指揮官。史上最強の結束力で伝説に挑む。 (北野 将市)

 ○…大阪桐蔭は神宮大会、春夏の甲子園大会、国体の4大大会制覇を達成。過去4大大会制覇校は帝京、早実、日大三、横浜、中京大中京、報徳学園、高松商があり、大阪桐蔭は史上8校目となった。

 ◇松尾 汐恩(まつお・しおん)2004年(平16)7月6日生まれ、京都府出身の17歳。小1から野球を始め、精華中では京田辺ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。2年時に春夏連続で甲子園出場し、夏の近江戦で本塁打をマーク。1メートル78、76キロ。右投げ右打ち。

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