西武ドラ1・隅田、雄星背番「16」最有力 4球団競合の左腕「ライオンズの球史に残る選手に」

[ 2021年11月2日 05:30 ]

入団に合意した隅田(球団提供)
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 西武からドラフト1位指名を受けた西日本工大・隅田知一郎(ちひろ)投手(22)が1日、北九州市内のホテルで入団交渉を行い、最高条件となる契約金1億円、出来高5000万円、年俸1600万円で入団に合意。支配下選手では契約合意第1号となった。背番号は、かつてのエース・菊池雄星投手(30=現マリナーズ)が背負った「16」が最有力。4球団が競合した最速150キロ左腕が、エース道をたどる。

 カメラのフラッシュを浴びながら、淡々と、それでいて、自信をうかがわせる隅田の力強い言葉が並んだ。

 「西武のエースと呼ばれるようになりたい。侍ジャパンに入りたい気持ちもあるし、球界を代表する左投手を目指して頑張りたい」

 西武はチーム防御率が4年連続リーグワースト。今季は所沢移転初年度の79年以来、42年ぶりの最下位に沈んだ。左腕事情は苦しく、18年オフに菊池がマリナーズに移籍して以降、ローテーション投手は不在。今季左腕の白星は39歳の内海と、2年目・浜屋の計2勝しかない。

 背番号は、菊池がメジャー移籍までの5年間背負った「16」が最有力だ。石井(現楽天GM兼監督)も09~13年につけた球団の左腕エースのイメージも浸透。会見に同席した潮崎哲也編成グループディレクターも、90~04年までチーム最長の15年間「16」を背負った。大先輩からは「パワーの雄星とタイプは違う。投手としての総合力。変化球で打ち取るコントロール、そこの評価が高い」と太鼓判を押された。

 最速150キロの直球にカットボール、スプリットなどを加えた「七色の球種」が持ち味で「チェンジアップが一番のウイニングショットになるのかな。大学ではあまり打たれたことがない」と言う。

 松坂の引退試合はテレビ観戦。自身が生まれた99年にデビューし、西武に復帰した20年から引退登板直前まで16を背負ったレジェンドの姿を目に焼き付けた。「野球界の歴史に残る方。自分も西武ライオンズの球史に残るような選手になりたい」。4球団が競合した大器が、最下位に泣いた所沢の空に鮮やかな七色の虹をかける。(花里 雄太)

 ◇隅田 知一郎(すみだ・ちひろ)1999年(平11)8月20日生まれ、長崎県出身の22歳。小2から大村クラブで野球を始め、西大村中では軟式野球部に所属。波佐見では3年夏に甲子園に出場し、初戦で彦根東に逆転サヨナラ負けして敗退。西日本工大では1年春にリーグ戦デビュー。1メートル77、76キロ。左投げ左打ち。

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2021年11月2日のニュース