中畑清氏 日本ハム・新庄新監督に期待“ツヨシスタイルで野球界変えて”

[ 2021年11月2日 05:30 ]

来季、日本ハムの監督に就任する新庄氏
Photo By スポニチ

 【キヨシスタイル】いい言葉だなあ。日本ハムの新庄剛志新監督。就任決定を報じる新聞に載っていた。

 「努力は一生 本番は一回 チャンスは一瞬」

 これが彼の原点。生き方、ポリシー、哲学みたいなものが集約されている気がする。一瞬のチャンスをつかみ、これから本番を迎えるわけだ。

 日本ハムはいいところに目をつけたね。中田翔の問題や斎藤佑樹引退、3年連続5位…。2年後に控えた新球場開場に向け、マイナスイメージを一掃するインパクトのある監督交代だ。

 客寄せパンダとか、いろいろ言う人はいると思う。私が2012年にDeNAの監督になったときもそうだった。キャラ的に軽く見られるタイプだから。でも、野球は真剣にやった。選手に最後まで諦めない気持ちを植え付け、怠慢プレーは絶対許さない。負けても負けても、その姿勢を貫いた。

 新庄監督もキャラがかぶる部分があるけど、中身はしっかりしている。たまたま札幌行きの飛行機に乗り合わせたことがあってね。客室乗務員か誰かに私がいるって聞いたんだろう。「こんにちは!」ってあいさつに来てくれた。律義なんだ。

 現役時代のパフォーマンスにしても、当時日本ハムのGMだった高田繁さんが「新庄はいいよ。あいつは本当にチームのことを考えてやってるから」と話してた。チャラいことを嫌う堅い人がそう言うんだからね。そういえば、阪神時代に巨人の槙原から敬遠球をサヨナラヒットしたときも、ボール球を打つ練習をしてたんだってね。

 今度は監督として、どんなアイデアを出し、実行してくれるのだろうか。監督の仕事はチームを勝たせるのが一番だけど、今の時代、それだけじゃないと思う。プロ野球としてあるべきプラスアルファ。ファンが期待しているものを探り出し、それを提供することが必要。新庄監督ならやってくれそうな気がするんだ。

 従来の監督像を覆すパフォーマンス。強要しちゃいけないけど、ついつい期待しちゃうよね。野球を大事にする心とファンを喜ばせる心と自分大好きな心。これが新庄剛志の野球というものをしっかり打ち出しながら、ツヨシスタイルで野球界を変えてほしいな。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

続きを表示

2021年11月2日のニュース