オリックス・杉本 名もなき虫を救い連敗も止めた27号単独キング弾 ロッテのM点灯も阻止 

[ 2021年9月17日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス3ー1楽天 ( 2021年9月16日    楽天生命パーク )

<楽・オ>8回1死二塁、2ランを放つオリックス・杉本(撮影・白鳥 佳樹)
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 2位のオリックスは16日の楽天戦に逆転勝ちして連敗を4で止め、ソフトバンクと引き分けた首位・ロッテの優勝マジック点灯を阻止した。同点の8回に杉本裕太郎外野手(30)が中越えに27号決勝2ラン。並んでいたソフトバンクの柳田を抜き、再びリーグ単独トップとなる一発でチームを救った。

 「世紀末覇者」を名乗るラオウが、この日は救世主となった。1―1の8回1死二塁、3試合ぶりに4番に座った杉本が一撃必殺で安楽を仕留めた。フルカウントから149キロ直球をバックスクリーンへ運ぶ27号決勝2ラン。チームの連敗を4で止め、ロッテのマジック点灯を阻止する単独キング弾に、昇天ポーズはいつも以上に力強かった。

 「最近、全然点が取れず、投手に迷惑ばかりかけて、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった」

 吉田正の離脱と比例するようにチームが失速。4連敗中の得点はわずかに2で、15日に野手陣は緊急ミーティングを行い、T―岡田を中心に積極的に発言。杉本も「ダメな時は、どうしても後手後手に回りがち。こういうときこそ積極的に。凡退でもいいから初球から思い切って振って行こう」と、戦う方向性を再確認した。

 打撃だけでなく、走塁でも積極性を体現した。0―1の4回、先頭で打席に入り敵失で出塁すると、次打者モヤへの4球目がワンバウンドとなることを予測して投球後にスタート。二盗に成功し捕手の悪送球も誘って一気に三進すると、モヤの一ゴロで生還。無安打で同点に追いついた。

 周到な心身の準備。加えて、小さな“心遣い”が大きな結果につながった。「ホームランを打つ何球か前に、打席の前に虫がおったんですよ。虫が前におって危ないから、助けてあげたら、打てました」。心優しき大男が、名もなき虫を救い、チームをも救った。

 首位のロッテが引き分け、ゲーム差を3・5に縮めた。前日のミーティングでは「他チームのことは自分らではどうしようもできない。自分らができることを頑張ろう」とも確認した。残り29試合。96年以来、25年ぶりのリーグ優勝を目指すナインにできることは、目の前の試合に勝つことだ。(桜井 克也)

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