DeNA・川村投手コーチが明かした1092日ぶり田中健登板の舞台裏

[ 2021年9月13日 13:35 ]

12日の対阪神22回戦の9回2死、マウンドに上がった田中健         
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 その電話は8回終了時にDeNAベンチからブルペンにかかってきた。「(9回は)こういう風に行きたいんだ」。意向を受け取ったブルペンの川村投手コーチは、田中健二朗に肩をつくらせた。

 「本当に昨日はいろんな条件が重なって復帰マウンドが飾れた。点差があったし勝っていた。彼の幸運もある。ビハインドだったら違った。健二朗が一番興奮していた」。13日のきょう、横浜スタジアムで投手練習を見守った同コーチが明かした。

 12日の対阪神22回戦。8―1の9回2死。19年8月に左肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた左腕が、18年9月16日の阪神戦以来1092日ぶりに1軍のマウンドに上がった。

 この日は年に1度の『キッズ STAR☆NIGHT』。子どもたちへの企画満載の一戦で、少年少女が試合の最後に目の当たりにしたのが、懸命なリハビリを経て本拠地に戻ってきたプロ14年目の31歳、「中継ぎの主」の姿だった。

 1死からシャッケルフォードが大山の打球を右膝付近に受け、アウトにしたが降板。緊急で田中健が登板したように見えた。だが背番号46はすでに大粒の汗。川村コーチの言う「いろんな条件が重なった」場合に備え、肩をつくっていたことは明らかだった。

 同コーチは続ける。「(9回の)先頭打者が出ていたり(打線が)つながったりしていたら違った。伊勢も待機していた」。そして言った。「そこ(田中健登板)は監督の判断」。

 田中健が代打・原口に四球を与えるも、最後の打者・小野寺をフォークで投ゴロに仕留めると、三浦監督は左腕を「おかえり」と出迎えた。そしてスタンドのファンも涙した。

 偶然が重なって実現した3年ぶりの復帰登板。「僕も1年だけ現役が重なっている。一緒に走った記憶もある。親みたいな心境だった」と川村コーチ。DeNAを支持する誰もが心打たれた11球。その舞台は、スタッフ、ナイン全員の「おかえり」の気持ちが形となって実現へと向かっていた。(大木 穂高)

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