日大の152キロ右腕・赤星が1部初白星 山本ダンテを封じた投球術にスカウトうなる

[ 2021年9月13日 17:24 ]

東都大学野球・第1週第1日   日大3―0国学院大 ( 2021年9月13日    神宮 )

<東都大学野球 日大・国学院大>完封勝利を上げた日大の先発・赤星(撮影・木村 揚輔)
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 憧れ続けた神宮の舞台で名のごとく輝いた。2―0で迎えた8回2死満塁。日大のエース右腕・赤星は4番・福永を外角カットボールで三ゴロに仕留め、最大のピンチを乗り切った。

 「粘り強く投げられた。春の優勝チームにこういう投球ができたことは自信になる」

 123球で国学院大を4安打に封じて完封勝利。147キロを計測した直球にツーシーム、フォークなど5種類の変化球を織り交ぜた。2、4、8回の3度、得点圏に走者を背負うも「低めに集めることを意識した」と冷静に腕を振り続けた。

 1部昇格後の初戦が春の王者・国学院大。赤星が導き出した攻略の鍵は「山本ダンテを封じる」だった。今春リーグ最多の5本塁打を放った主砲に対し、直球でインコースを意識させて、変化球で勝負。内野安打1本に封じ「しっかり打ち取れた」と胸を張った。
 日大鶴ケ丘ではプロ志望届を提出するも、指名漏れの苦汁を味わった。日大進学後、作秋までは球速を追い求めたが「球数が多くなり、甘く入ったら打たれてしまった」と1部昇格に導けず、スタイルチェンジを決心した。低めにボールを集める投球を信条とした今春は2部で最高殊勲選手など3タイトルを獲得。1部の下位2チームとの入れ替え戦でも大黒柱の働きを見せ、17年秋以来となる1部復帰を果たした。

 12球団スカウトが視察し、西武・渡辺久信GMは「抑えるコツを知っている。状況に応じた変化球が投げられる」とうなった。来月11日に迫ったドラフトに「目標はプロに入るだけではなくて、プロで活躍すること」。1部初白星を挙げた男は力強かった。(柳内 遼平)

 ◇赤星 優志(あかほし・ゆうじ)1999年(平11)7月2日生まれ、東京都出身の22歳。小1で野球を始め、三宿中時代は軟式の上馬シニア野球クラブに所属。日大鶴ケ丘では1年秋からベンチ入りし、甲子園出場はなし。日大では1年秋からベンチ入り。1メートル75、80キロ。右投げ右打ち。
 

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